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眠らせる
「眠らせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眠らせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
いち、貴子という女の体には、一種ふしぎな体温と体臭があり、エーテルのように章三を
眠らせる作用を持っているのだ。ぐっすり眠ってしまう。忙しい章三にとっては、土曜日....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
かったろう。ああ誰れが云うか――野原に寝る少女は不良だと! いや、その少女を野に
眠らせるようにする私達の方が……私の方が……何んなに不良だろうか! 見てやって下....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いらしいが、傍で見たお銀様は、快い形と見ることができません。この人に墓を枕にして
眠らせるということが、好ましいことではありません。それとも知らずに竜之助は、 「....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
を始め、死んだたくさんが、この唄でねせつけられたのである、それをまた彼女が咲二を
眠らせるに唄う。家庭的な思い出の深いものであった。十ある歌詞《うた》を彼女はたっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
《やぎ》のような小足でそばを通りかかると、クリストフは彼女をもう一、二時間も多く
眠らせるためには、自分の一か月分の生活費を与えても惜しくはない気がした。もしそれ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
含まれていて、なま温かい南東風の陰険な毒のように、人の血管の中にしみ込んで意志を
眠らせる、この倦怠《けんたい》の力を、彼女は彼よりもよく知っていた。彼女はその凶....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いんでしょう、と言いました。マグロアールは急いで食器を片付けました。旅人を静かに
眠らせるために室に退くべきだと私は存じまして、マグロアールと二人で二階の室へ上が....
「眠る森のお姫さま」より 著者:楠山正雄
かしておくようにと、きびしくおいいつけになりました。 さて、王女を百年のあいだ
眠らせることにして、やっと、あやういいのちから、この知らせをすぐうけとりました。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
希望であれば説得もいたしましょう。しかし、それには限度があります。せがれの良心を
眠らせるような説得は私には出来かねますので。」 「すると、あなた自身、血書を撤回....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
えると、君らは多数をたのみ、多数のかげにかくれて、何よりもたいせつな自分の良心を
眠らせることに平気な人間なのだ。私は、現在の日本人の大多数がもっている最大の弱点....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
にないのですね。アミタール面接というのは治療じゃないから、こんなに長期に持続して
眠らせるわけではないでしょうが、眠らせて対話するのは同じことでしょう。人間は催眠....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ステッドの方向に当たって真に危険が存するなら、――彼女は相手をなだめる。だまして
眠らせる。ぬらりと身をかわす、くらりと遁れる。それが彼女の本能だった。それでいて....
「銀のつえ」より 著者:小川未明
を取ってしまっては役にたたない。いま、ほんとうに殺すのではない。一|時、おまえを
眠らせるまでだ。なんでもおまえは、私のいうことに従わなければならない。おまえは、....
「海からきた使い」より 著者:小川未明
気なもんですから、乳をたくさん飲ませることができないのです。なるたけ、赤ちゃんを
眠らせるために、こうして、いつまでも外に立って、唄をうたっているのです。」といい....
「姫たちばな」より 著者:室生犀星
肉に一笑してしまった。 「船にて和泉の土を搬び申そう、和泉の土は子供を落着かせて
眠らせるであろう。息子殿の父御ほどござって死後にも難題を申さるる方じゃ、息子も甚....