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眠り
「眠り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眠りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
うと、それなり恍惚《こうこつ》とした、失神の底に、――おそらくは、さめる時のない
眠りの底に、昏々《こんこん》として沈んで行った。
その時である。太郎は、そこを....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
がした。
「寝るが極楽。寝るが極楽………」
玄鶴は何も彼も忘れる為に唯ぐっすり
眠りたかった。実際又甲野は彼の為に催眠薬を与える外にもヘロインなどを注射していた....
「影」より 著者:芥川竜之介
疲れているのだって、今日も山内《やまのうち》先生がそうおっしゃったわ。二三日よく
眠りさえすれば、――あら。」
老女は驚いた眼を主人へ挙げた。すると子供らしい房....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
あの女の事を思っている。するとまた金陵《きんりょう》へ帰ってからも、不思議に毎晩
眠りさえすれば、必ずあの家《うち》が夢に見える。しかも一昨日《おととい》の晩なぞ....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
みながら、絶えず行長に酒を勧めた。そのまた酒の中にはいつの間《ま》にか、ちゃんと
眠り薬が仕こんであった。
しばらくの後《のち》、桂月香と彼女の兄とは酔《よ》い....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
望」と声をあげ、しばらく微笑を浮かべていた。それからいかにも疲れはてたように深い
眠りに沈んで行った。井伊の陣屋の男女《なんにょ》たちはやっと安堵《あんど》の思い....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
。子供は勿論《もちろん》泣きつづけていた。自分はそちらに背を向けながら、もう一度
眠りにはいろうとした。すると妻がこう云った。「いやよ。多加《たか》ちゃん。また病....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
《いまだ》に忘れられないとか云っているそうです。その内に祖母は病気の孫がすやすや
眠り出したのを見て、自分も連夜の看病疲れをしばらく休める心算《つもり》だったので....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ささ》か滑稽の観があったのは、読みかけた太平記を前に置いて、眼鏡をかけたまま、居
眠りをしていた堀部弥兵衛が、眼をさますが早いか、慌ててその眼鏡をはずして、丁寧に....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
皆売切れている。本間さんはしばらく、腰の広さ十|囲《い》に余る酒臭い陸軍将校と、
眠りながら歯ぎしりをするどこかの令夫人との間にはさまって、出来るだけ肩をすぼめな....
「死後」より 著者:芥川竜之介
いるうちにそろそろ睡気《ねむけ》を感じ出した。それから枕もとの電燈を消し、じきに
眠りに落ちてしまった。――
夢の中の僕は暑苦しい町をSと一しょに歩いていた。砂....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
を抱《いだ》きながら、もう一度深い眠に落ちた。そうして三日三晩の間、死んだように
眠り続けた。
眠から覚めた素戔嗚は再び体を清むべく、湖の汀《なぎさ》へ下りて行....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
数の種子を宿している、大きい地面が存在する限りは。 (同上)
或夜の感想
眠りは死よりも愉快である。少くとも容易には違いあるまい。 (昭和改元の第二日)....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、そこは世の中でいちばん静かな場所である。小川が滑るように流れそのせせらぎは人を
眠りにいざない、ときたま鶉が鳴いたり、啄木鳥の木を叩く音が聞えるが、あたりに漲ぎ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
、あやしてやったり、「おしっこ」をさせてやったりしたので、朝方になって、大変よく
眠りました。お神さんが早く起きて、雨戸を明けると、そこから明るい太陽が遠慮なく射....