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眩暈
「眩暈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眩暈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ガンティノは逃げようとした。が、足も動かなかった。彼はただ大光明のために、烈しく
眩暈《めまい》が起るのを感じた。そうしてその光の中に、大勢《おおぜい》の男女の歓....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
勿論それは不可能な事でございます。ただ、確かに覚えているのは、その時私がはげしい
眩暈《めまい》を感じたと云う事よりほかに、全く何もございません。私はそのまま、そ....
「或る女」より 著者:有島武郎
すために目を開いて、とめどなく動く波の戯れを見ようとしたが、一目見るやぐらぐらと
眩暈《めまい》を感じて一たまりもなくまた突っ伏《ぷ》してしまった。深い悲しいため....
「或る女」より 著者:有島武郎
て岡を見た。ことさらにあざやかに紅《あか》いその口びる……この口びるが昨夜は……
眩暈《めまい》がするほど一度に押し寄せて来た憤怒と嫉妬《しっと》とのために、葉子....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
けましょうか」 「そうか。では出発としよう」 「深夜の市長」は立ち上ったが、急に
眩暈でもしたらしく、フラフラと蹣跚いた。 「呀ッ、どうしましたッ」「もし、しっか....
「階段」より 著者:海野十三
ら来るのか、とに角も不思議に甘美を唆る香りが僕の鼻をうったものだから、思わず僕は
眩暈を感じて頭へ手をやった。「彼奴」がむくむくと心の中に伸びあがってくる。女史も....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
大きく口をパクパクやったが、呼吸はますます苦しくなった。頭がキリキリと痛くなり、
眩暈がしてきた。前の人間の肩をつかもうとするが、もう駄目だった。地球が一と揺れゆ....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
今や追撃の真最中だった×の哨戒艦の横腹に、突然太い水柱があがりました。くらくらと
眩暈のするような閃光。と、ちょっと間をおいて、あたりを吹きとばすような大音響! ....
「雷」より 著者:海野十三
ば、この二階家から同じ距離を置いて左右に二個所、目障りな櫓を建てられ、なんとなく
眩暈のするような厭な気分が湧くという外になかった。しかしそんな非礼な言葉を、この....
「明日」より 著者:井上紅梅
達も覚えず家に帰りたい顔色を示した。そして結局皆家に帰った。 單四嫂子はひどく
眩暈を感じ、一休みすると少しは好くなったが、続いてまた異様なことを感じた。彼女は....
「白光」より 著者:井上紅梅
短い髪の毛を吹き散らしたが、初冬の太陽はかえって暖かに彼を照し、日に晒された彼は
眩暈を感じて、顔色は灰色に成り変り、過労のため赤く腫れ上った二つの眼の中から奇妙....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
窒素を少し入れたのを指で持っていたとき、温いセメントをその傍に持って来たら、急に
眩暈を感じた。ハッと意識がついて見ると、自分は前と同じ場所に立ったままで、手もそ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
と来て、脳天へ沁みます、そのね、私等で御覧なさい、香を嗅いだばかりで、ぐらぐらと
眩暈がして、背後へ倒れそうなやつを、湯呑水呑で煽りやがるんで、身体中の血が燃えて....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
わ。じゃあ一晩だけ店の方へ行っていろと謂ったけれど、それをうむという奴かい。また
眩暈をされたり、虫でも発されちゃあ叶わねえ。その上お前、ここいらの者に似合わねえ....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
る。フレンチは目を瞑った。 暗黒の裏に、自分の体の不工合を感じて、顫えながら、
眩暈を覚えながら、フレンチはある運動、ある微かな響、かすめて物を言う人々の声を聞....