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「眺望〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

眺望の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
か申しまして……」 「ははあ」 と東屋氏はいずまいを改めて、 「いや、随分いい眺望ですなあ」 「お気に召しましたか?」 洋吉氏が口を入れた。 「いや、全く美....
春昼」より 著者:泉鏡花
の中に、その軒端洩る夕日の影と、消え残る夕焼の雲の片と、紅蓮白蓮の咲乱れたような眺望をなさったそうな。これで御法の船に同じい、御堂の縁を離れさえなさらなかったら....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
が騒がしい。同時に塵埃が殖えて、少し風が吹くと、書斎の机の上が忽ちザラ/\する。眺望は無い方じゃ無いが、次第にブリキ屋根や襁褓の干したのを余計眺めるようになった....
少年探偵長」より 著者:海野十三
すでに十二時を過ぎて、宵から降り出した雨は、ようやく本降りとなり、昼間はあれほど眺望の美を誇った塔のてっぺんも、いまや黒暗々たる闇につつまれている。 一行はそ....
火星探険」より 著者:海野十三
二十五|粁《キロ》ばかり西北方へ行った地点にあり、コロラド大峡谷を目の前に眺める眺望絶佳な丘陵の上にあった。それは一つの巨大なる塔をなしていた。しかもその塔は、....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
、ちょっとお待ちを」 仏天青は、礼をいって、鞄を下に置いた。 「なかなかここは眺望もいいし、そして広大ですね」 「そうです。ここは王立になっているのですからな....
紅玉」より 著者:泉鏡花
と咲いた処は鮮麗だ。な、家を忘れ、身を忘れ、生命を忘れて咲く怪しい花ほど、美しい眺望はない。分けて今度の花は、お一どのが蒔いた紅い玉から咲いたもの、吉野紙の霞で....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
けませんね。」 「大丈夫でございますよ。後方が長浜、あれが弁天島。――自動車は後眺望がよく利きませんな、むこうに山が一ツ浮いていましょう。淡島です。あの島々と、....
星女郎」より 著者:泉鏡花
背後で、衣摺れが、はらりとする。 小さな咳して、 (今に月が出ますと、ちっとは眺望になりますよ。) と声を掛けます。はて違うぞ、と上から覗くように振向く。下....
化鳥」より 著者:泉鏡花
この番小屋と仮橋の他にはないが、その時分はこの橋ほどのものは、邸の庭の中の一ツの眺望に過ぎないのであったそうで。今、市の人が春、夏、秋、冬、遊山に来る、桜山も、....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
黒石、背面大黒石、出船入船などの奇巌、峯上に突起す。就中女体峯頭が最も高く、且つ眺望最もすぐれたれど、この日は濃霧濛々として眺望少しも開けざりき。男体山には伊弉....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
るけれど、天保時代には、要島という島に成っていて、江戸名所図絵を見ても分る。此地眺望最も秀美、東は滄海漫々として、旭日の房総の山に掛るあり、南は玉川混々として清....
西航日録」より 著者:井上円了
嗚呼是れが華厳の時の景色なり(日上先照)(日のぼりてまず高山を照らす) 山頂の眺望実に壮快を極め、その光景の雄壮なること、島国人種の想像しあたわざるところなり....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。そのほか、当市には一大遊歩林あり。その周囲三、四マイル、極めて広闊にして、また眺望に富む。夜に入りて雨来たる。 二十日、晴れ。雨やみたるも、風冷ややかにして....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
甲斐東方のあらゆる深山幽谷を跋渉し尽した彼は、猟銃をとっては名うての巧者である。眺望の好い場所を択んで先ず一服という。煙草を吸うのである。煙管が二三服吸っている....