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「眼光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

眼光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
英雄の器」より 著者:芥川竜之介
くさ》の喜びが、まだ消えずにいるからであろう。―― 「そうかね。」 鼻の高い、眼光の鋭い顔が一つ、これはやや皮肉な微笑を唇頭に漂わせながら、じっと呂馬通《りょ....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
になりますまい。してみますと、先生は歌も発句もお作りになると、こうにらんだ手前の眼光は、やっぱりたいしたものでございますな。これはとんだ手前味噌《てまえみそ》に....
或る女」より 著者:有島武郎
わって、神経質らしく眉《まゆ》をきらめかす中老の官吏は、射るようないまいましげな眼光を時々葉子に浴びせかけていたが、いたたまれない様子でちょっと居ずまいをなおす....
或る女」より 著者:有島武郎
ろうとした。小羊のようにまつ毛の長いやさしい愛子の目はしかし不思議にも葉子の鋭い眼光にさえ何物をも見せようとはしなかった。葉子はすぐいらいらして、何事もあばかな....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
には一種犯すべからざる威厳を備えつ。 制帽の庇《ひさし》の下にものすごく潜める眼光は、機敏と、鋭利と厳酷とを混じたる、異様の光に輝けり。 渠は左右のものを見....
婦系図」より 著者:泉鏡花
げて、猪口を取って、二人は顔を合せたのである。 四十五 その時、眼光稲妻のごとく左右を射て、 「何を愚図々々しているんだ。」 「私がお願いでござ....
空中墳墓」より 著者:海野十三
皺が、幾本も幾本も並行に走っていて、頭髪は私と同じように真白であった。それでいて眼光や声音から想像すると、まだ五十になったかならないか位らしい。 「栗戸探偵でい....
火薬船」より 著者:海野十三
は、ことばもはげしく、中国語でどなりつけた。そしてすばやくみがまえた。だが、彼の眼光は、どうしたわけか、てつのように冷たくすんで、相手の顔色をじっとうかがってい....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
たい。』 非命の死と罪悪――地の世界には、週期的に争闘が起るものであるが、霊的眼光を以てこれを考察すれば、畢竟それは善悪の霊と霊との争闘である。すべて世の乱れ....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
――何かの本に書いてあったことを想い出したが、「海乙那」という一種の代物がある。眼光と様子がとても醜い。いつも死肉を食って、どんな大きな骨でもパリパリと咬み砕き....
良夜」より 著者:饗庭篁村
そこの橋上を徘徊致すなれ」と、天晴よき返答と思いて答えたり。巡査は予の面を一種の眼光をもって打眺め、「そも御身は何処の者にて姓名は何と言わるる」と言い言いなお身....
式部小路」より 著者:泉鏡花
うにしているんだからね。」 気懸なのはこればかり。若干か、お銭にするだろう、と眼光|炬のごとく、賭物の天丼を照らした意気の壮なるに似ず、いいかけて早や物思う。....
西航日録」より 著者:井上円了
と同時に大迷信国なりといわんとす。余、シャンハイにありて四面を一望するに、山影の眼光に触るるなく、平原百里に連なり、河水縦横に通じ、いわゆる沃野千里なるもの、清....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
かぶ。 南極のま近くなりししるしにや、彼方よりくる風の涼しき 三日、晴れ。暁煙眼光を遮る。朝七時、豪州第一の都会たるシドニーに入港す。検疫のために港外に船をと....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
違いない、したがって字も上手だろうとの至極明快な三段論法なのだ。親分は中肉中背、眼光は鋭く馬賊の頭目みたいな男。赤裏の黒いマントなど羽織って、えらく威勢がいい。....