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「眼力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

眼力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
は見えなかった。いかに恋に目がふさがっても、葉子はそれを見きわめるくらいの冷静な眼力《がんりき》は持っていた。そんな事は充分に知り抜いているくせに、おぞましくも....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ゆく阿闍梨の浅ましい宿業《しゅくごう》を悼むと共に、千枝太郎は自分のお師匠さまの眼力の高く尊いのをいよいよ感嘆した。 しかしこれを察したのは千枝太郎の師弟ばか....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
った。 「大江山捜査課長殿 啓。しばらくでしたネ。しばらく会わないうちに、貴下の眼力はすっかり曇ったようだ。日比谷公園の吸血屍体の犯人を痣蟹の仕業とみとめるなど....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
それを聴いた一人であった。 お文の幽霊を草双紙のなかから見つけ出した半七の鋭い眼力を、Kのおじさんは今更のように感服した。浄円寺の住職はなんの目的でお道に恐ろ....
少年探偵長」より 著者:海野十三
た、チラと狡猾なあざわらいの影がうかんだ。 「なるほど。さすがは首領だよ。えらい眼力だよ。感服したよ。たしかにわたしはメダルの両面を撮影してきたよ」 「よし、よ....
地球要塞」より 著者:海野十三
とにかく、私が気がつかなかったのにずばりと看破《かんぱ》したピース提督の科学の眼力のほどを、畏敬しないではいられない。――といって、ここで私が引下がる手はある....
火薬船」より 著者:海野十三
というわけである。 “死に神”船長 ノーマ号を火薬船だと、観察した竹見の眼力は、なかなかえらいものだった。 煙草を甲板で吸うと、船員たちが顔色をかえた....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
。それからラザルスに近寄って、熱心に彼の顔や奇妙な礼服などを調べてみた。彼は鋭い眼力を持っていたにも拘らず、ラザルスの変装に騙されてしまった。 「ほう、お前は別....
風波」より 著者:井上紅梅
に在らば、天下はこれほどまでに乱れはしない」といつも歎息していた。七斤ねえさんの眼力は確かだ。きょうの趙七爺は以前のような道士ではない。つるつるとして頭の皮の頂....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
手だものね。お役者さんよ」 「どうして物真似だってこと解るんだい?」 「そりゃア眼力だわ。……あたし客商売の温泉宿の娘でしょう。ですから、悪い人かいい人か、贋物....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
ければならない……一番俺にとって致命的なのは、曾て一度も狂わなかった、自信のある眼力の狂ったことさ。一つ狂うと二つ狂う、二つ狂うと三つ狂う。どうして最後まで狂わ....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
捕えたら、一先ずこの大欅の根下まで連れて来るということにした。 「誰が捕えるか、眼力くらべだ。敗けた者に酒を奢らせることにしようではないか」と源八郎が云い出した....
」より 著者:岡本綺堂
かって云うんだ。モダンの富士|詣でのような風をしていても、あんたがどんな人間か、眼力ひからす松王丸がちゃんと睨んでいるわ。ねえ、アンちゃん。あんたは随分芸妓なん....
審判」より 著者:カフカフランツ
驚いていらっしゃるようですが、わしはこのことにたいして驚きはしませんね。見分ける眼力がありさえすれば、被告の人々はほんとうに美しいと見えることがしょっちゅうある....
茶美生活」より 著者:北大路魯山人
、常に跡をたたないというのがこの道の現実である。 懐中の空白を意とせず、われに眼力ありとばかり道具屋並列の町々は、常に賑わっている。しかし眼力派なる者も挙句の....