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眼識
「眼識〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
眼識の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
置き物なりがちゃんと飾られていた。家の造りや庭の様子などにはかなりの注文も相当の
眼識も持ってはいたが、絵画や書の事になると葉子はおぞましくも鑑識の力がなかった。....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
《も》し私が亡《な》い後《のち》は家督相続は惣二郎、又弟惣吉は相当の処へ惣二郎の
眼識《めがね》を以て養子に遣って呉れ、形見分《かたみわけ》は是々、何事も年寄作右....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
それから泰親の門に入って、天文を習った。卜占《うらない》を学んだ。さすがは泰親の
眼識《めがね》ほどあって、年にも優《ま》して彼の上達は実に目ざましいもので、明け....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
らば、それは実に愚かなことである。しかもわれわれは、自己の歴史的同情心が、審美的
眼識を無視するままに許している。美術家が無事に墳墓におさめられると、われわれは称....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
陣の間に威力を発揮して来た鉄砲の稽古に熱心であった事などを見ると、筑紫の坊さんの
眼識を肯定出来そうである。 この様に何処かに争われない処を見せながらも、その日....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
では無かったのだが、その機略威名が父信玄に遠く及ばない上に、良将を率い用いる力と
眼識が無く、かく老将を抑えて自分を出そうとする我執がある。旗下の諸将との間が、う....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
めた、いやそれは宜しくない、一人を殺すは何でもない、况て事を荒立る時には殿様のお
眼識違いになりお恥辱である、また死去致した渡邊織江の越度にも相成る事、万一此の事....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
極的な考えから、ひたすらに欠点の見落しを惧れるよりも、更に一層長所と美点に対する
眼識の不足を恥ずべきではないかと思われるのである。 学位売買事件や学位濫授問題....
「不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
思っている。 ★ ブランデン氏は、日本の文学者どもと違って
眼識ある人である。太宰の死にふれて(時事新報)文学者がメランコリイだけで死ぬのは....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
るまでのあらゆるものの配置、色彩の配合、些細なものの節約や、巧妙な手際や、明敏な
眼識や、優れた感覚などで得られた優雅な多種多様さと対照、そういうものはそれ自身と....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
だ一つの仕事となった。私は、近代の研究者たちがこれらのものについて書いた、才能と
眼識にみちた著作を熱心に読んだ。大学の科学者たちの講義を聴き、その人たちに知己を....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
幸いに、持参金附の婿を探して身代の破綻を縫おうとした。数の多い候補者の中でお常の
眼識に叶った婿は、大伝馬町の地主弥太郎が手代又四郎という男で、彼は五百両という金....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
が付く。 日本一の名優の予言は外れた。団五郎は遂にものにならずに終った。師匠の
眼識違いか、弟子の心得違いか。その当時の美しい少年俳優がこういう運命の人であろう....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
雨が自ら得意とする『かくれんぼ』や『門三味線』よりは確に永遠の生命がある。聡明な
眼識を持っていたがやはり江戸作者の系統を引いてシャレや小唄の粋を拾って練りに練り....
「近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
です。 そこで今回私の出しました作陶がもし死作であり、一夜漬け的なものであると
眼識ある各位から評されるとしましたら、私は即日即時作陶を断念しますかも分りません....