着崩れ[語句情報] »
着崩れ
「着崩れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着崩れの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
たような丸髷《まるまげ》に疲れた浴衣である。もう三十二三にはなっているのだろう、
着崩れた着物の下から、何か仇《あだ》めいた匂いがして窶《やつ》れた河合武雄と云っ....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
たのである。 阿婆、これを知ってるか。 無理に外套に掛けさせて、私も憩った。
着崩れた二子織の胸は、血を包んで、羽二重よりも滑である。 湖の色は、あお空と、....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
を隠して、小父者と捻平に背向になった初々しさ。包ましやかな姿ながら、身を揉む姿の
着崩れして、袖を離れて畳に長い、襦袢の袖は媚かしい。 「何、その舞を舞うのかい。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
になる。 女房は真うつむけに突伏した、と思うと、ついと立って、茶の間へ遁げた。
着崩れがしたと見え、褄が捻れて足くびが白く出た。 五 「ごめんなさ....
「陳情書」より 著者:西尾正
軈ては気力尽きてぐったり動かなくなったのを見済まして、私は悠然と落ちた帽子を拾い
着崩れた着物の襟を合わせ、是でいいんだ、ふん、是でいいんだ、と呟き乍ら、一歩一歩....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
の祟りだ!」 フラフラと部屋から外へ出た。 水に螢をあしらった、京染の単衣が
着崩れてい、島田髷さえ崩れている。後毛のかかった丸形の顔が、今はゲッソリ痩せてい....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
れ傾り、細い白い頸にかかってい、友禅模様の派手な衣裳が、紫地の博多の帯ともども、
着崩れて痛々しい。素足に赤い鼻緒の草履を、片っぽだけ突っかけている。夜露に濡れた....