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着心
「着心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
をもらしさえした。たしかに好いところが二つあった――一つは温かいことで、今一つは
着心地のいいことである。彼は通ってきた路筋などにはまったく気もつかず、いつの間に....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
は何であるかと問われたなら、予は躊躇《ちゅうちょ》もなく答える。曰《いわ》く、執
着心のないことだと。執
着心がないからして都府としての公共的な事業が発達しないとケ....
「新生」より 著者:島崎藤村
》は随分役に立って、長い冬の夜なぞは洋服の上にそれを重ね寛濶《かんかつ》な和服の
着心地《きごこち》を楽みながら机に対《むか》ったものであったが、その丈夫な褞袍で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はわが子のゆくえを尋ねて、九州から江戸まで遙々と追って来たのであろう。その強い執
着心を思いやると、徳三郎はいよいよ怖ろしくなって来たので、彼はお熊に因果をふくめ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
羽織が添えてあったが、それには及ばぬから浴衣だけ取って手を通すと、桁短に腕が出て
着心の変な事は、引上げても、引上げても、裾が摺るのを、引縮めて部屋へ戻ると……道....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
ロフ大佐は、大股でつかつかと歩みよって、いった。 「おい、太刀川。おれの潜水服の
着心地はどうだったかよ」 だが太刀川は無言のままだ。 「おれのいうことが聞えな....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
も宇宙服を着られたのですね」 「おお、お前は艇夫の風間三郎だな。どうだ、なかなか
着心地がいいだろう」 「そうですねえ。思いのほか、重くはないんだけれど、なんだか....
「小公女」より 著者:菊池寛
。」 「開けてごらん。」 セエラはいわれた通りにしました。中から出て来たのは、
着心地のよさそうな美しい衣裳でした。靴、靴下、手套、美しい上衣、それから見事な帽....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
を見たとき、ふと思いあたったことだが、君はシャバネーが|運命の先行者と云った、憑
着心理を知っているかね。かりに、自分の境遇が、小説か戯曲中の人物に似ているとする....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
の部屋着にくるまってね。…… しなやかな細君の手で、良人のために縫いあげられた
着心地のいい不断着というやつは……全くへんに情にからんでくる代物だよ! じつに工....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
辱と艱難を堪え忍んで、異国の空をさまよい続けているという、そのあくまでも根強い執
着心から推し量ると、彼の求むるその物が並大抵なものでないらしいことは容易く想像さ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
います。許して下さい。私は人を、おのれをむなしくして愛するにはあまりに貪婪で、執
着心が強過ぎます。自分のことばかり考えています。そのくせ他人の愛を求めてその薄い....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
で強情を張り通そうとするのである。吉五郎もその一人であった。彼は生に対する強い執
着心からこうして一日でも生きていようとしたのか、あるいは召捕または吟味の際に係り....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
なと誓わしめたのを見ると、其底意は善か悪か知らず、兎にかく自分に対して何等かの執
着心を有っているらしく思われる。随って、冬子にも疑われ父にも怪まれるのも無理はな....
「針木峠の林道 」より 著者:木暮理太郎
早永久に見られる期はないであろうか。自分は過去にのみ憧れんとする自分の固陋なる執
着心を今も尚お思い切って山の何処かへ破れ草鞋の如くかなぐり棄てることの出来ない意....