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着換え
「着換え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着換えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
細っそりした顋《あご》にも明らかだった。重吉はこの茶の間へはいると、洋服を和服に
着換えた上、楽々と長火鉢の前に坐り、安い葉巻を吹かしたり、今年やっと小学校にはい....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
、午後と夜とをこの座敷で、はなはだ泰平に暮す事が出来た。が、同時にまた、参考書と
着換えとを入れた鞄のほかに何一つない私自身を、春寒く思う事も度々あった。
もっ....
「春」より 著者:芥川竜之介
の上にも黄色い笠をかけた電燈が二年前の光りを放っていた。広子は寝間着《ねまき》に
着換えた上へ、羽織だけ紋《もん》のあるのをひっかけたまま、円卓の前の安楽椅子《あ....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
。そこに雑誌が四五冊あるから。」
彼は口笛を吹きながら、早速《さっそく》洋服に
着換え出した。僕は彼に背《せ》を向けたまま、漫然とブック・マンなどを覗《のぞ》い....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
やっと日の暮に病院へ出かける時間を得た。曇天はいつか雨になっていた。自分は着物を
着換えながら、女中に足駄《あしだ》を出すようにと云った。そこへ大阪のN君が原稿を....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
眠むがるのを無理に抱《だ》き起してから、人手も借りず甲斐甲斐しく、ちゃんと着物を
着換えさせたそうです。お栄はまだ夢でも見ているような、ぼんやりした心もちでいまし....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
五
戸沢《とざわ》やお絹《きぬ》の夫が帰ってから、和服に
着換えた慎太郎《しんたろう》は、浅川《あさかわ》の叔母《おば》や洋一《よういち》....
「路上」より 著者:芥川竜之介
やすだ》さん、御客様でございますよ。」
こう云う女中の声が聞えた時、もう制服に
着換えていた俊助《しゅんすけ》は、よしとか何とか曖昧《あいまい》な返事をして置い....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
》な前兆が、加わった。――十五日には、いつも越中守自身、麻上下《あさがみしも》に
着換えてから、八幡大菩薩に、神酒《みき》を備えるのが慣例になっている。ところが、....
「星座」より 著者:有島武郎
。しかしそこには別に片づけるというようなものもなかった。ズック製の旅鞄に、二枚の
着換えを入れて、四冊の書物と日記帳とを加えて、手拭の類を収めると、そのほかにする....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の藤屋へ泊った。驚くべからず――まさかその時は私だって、浴衣に袷じゃ居やしない。
着換えに紋付の一枚も持った、縞で襲衣の若旦那さ。……ま、こう、雲助が傾城買の昔を....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
はお役人様でがさ、お世辞|笑をしたばかりで、こちらも肩で捻向く面だ、道陸神の首を
着換えたという形だてね。 (旨い。) 姉さんが嬉しそうな顔をしながら、 (あの....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
交代の当番で、弁持十二が居るのさ。日曜だったし……すぐの座敷で、先生は箪笥の前で
着換えの最中、博多の帯をきりりと緊った処なんだ。令夫人は藤色の手柄の高尚な円髷で....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
名縞の袷に、浴衣を襲ねたは、今しがた湯から上ったので、それなりではちと薄ら寒し、
着換えるも面倒なりで、乱箱に畳んであった着物を無造作に引摺出して、上着だけ引剥い....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
かには年寄り独特の穏かさが隠れているように見えた。しかもかれらは婚礼の衣裳までも
着換えさせようとはしなかった。又、この世の人間と未知のあの世とを見詰めている、二....