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着換える
「着換える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着換えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
をあれやこれやと選りわけたりしていましたが、気に入ったのが見付かったのか、着物を
着換えると、行先も言わず、ただ東京まで行って来るからと百合子に言いのこした儘、外....
「蠅男」より 著者:海野十三
いいのに――」 「そうはゆきませんよ。事件の方が大切ですからネ。洋服なんか、必ず
着換える時機が来るものですよ」 そういいながら、帆村は借りていた警官のオーバー....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
行け。すぐ行け。わしもすぐ後から行くから」と、申しました。私は慄える手で、衣服を
着換えると、用心の為に台所にありました樫の棒を持って家を駈け出しました。振りかえ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来歴もわからないので、その死骸を係りの役人に引き渡して置いて、半七は濡れた着物を
着換えるために一旦自分の家へ帰ると、お鉄が蒼い顔をして待っていた。 「やあ、お鉄....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
いた嘉代吉(老猟師嘉門次の悴)も、仕度が出来て待っているというので、単衣を洋服に
着換えるやら、草鞋を引きずり出すやらで、登山装束を整える、そんなことをして午を過....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
を云うな。では、君の細君は、……(云いつつ憚る。) 晃 (納戸を振向く)衣服でも
着換えるか、髪など撫つけているだろう。……襖一重だから、背戸へ出た。…… 学円 ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ま、藤屋が店へ投返した……と脊筋へ孕んで、坊さんが忍ぶように羽織の袖が飜々する。
着換えるのも面倒で、昼間のなりで、神詣での紋付さ。――袖畳みに懐中へ捻込んで、何....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
んだように響かせながら、猟夫に真裸になれ、と歯茎を緊めて厳に言った。経帷子にでも
着換えるのか、そんな用意はねえすべい。……井戸川で凍死でもさせる気だろう。しかし....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
名縞の袷に、浴衣を襲ねたは、今しがた湯から上ったので、それなりではちと薄ら寒し、
着換えるも面倒なりで、乱箱に畳んであった着物を無造作に引摺出して、上着だけ引剥い....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、顔をそむけた。さすがの美和子も、姉によっぽど悪いと思ったらしく、手早く寝間着に
着換えると、電燈を消して、床の中へはいってしまった。そして、しばらくすると、この....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
熊五郎は止めにかかった。 「いい加減におしよ、芸人じゃないか」 紫錦は衣裳を
着換えると、念入りにお化粧をし、熊五郎に構わず出かけて行った。 気を悪くしたの....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
どうしてあんた此の手紙を持って居やんす」 えい「多助さん、お前さんが今朝|衣物を
着換える時袂から落ちたから、私がお母さんにお目にかけたのだが、お前さんもあんまり....
「入営前後」より 著者:黒島伝治
まれてあった。 二年兵は、軍服と、襦袢、袴下を出してくにから着てきた服をそれと
着換えるように云った。 うるおいのない窓、黒くすゝけた天井、太い柱、窮屈な軍服....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
。涙がね、先生、随分泣いて、まだ、しっとりとしていますわ。情の迫った涙ですもの、
着換えるのが惜いんです。」 私は危くその背に手を当てようとした。 翌日、朝、....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
のなかの品物をほとんど使わなかったことが、カルルには残念だった。たとえばシャツを
着換えることがずっと前に必要だっただろうに。つまり、当をえないところで余計な節約....