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着衣
「着衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
着衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
やく、この疑題の終点に辿りついたような、気がしたのでしたけれども、またそこには、
着衣とか所持品とかいう要点もあって、たとえば、その二人の身長が、どんなにか符合し....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
事かに気がついたと見えて再び身を振り返って云った。 「だが、この女の身元だ。女の
着衣を調べて見よう!」 赤羽主任は、あちこちに転っている桶類を跨いで女湯の脱衣....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
ていない。短刀の柄にも指紋はない。被害者は無抵抗で即死したような訳だから、犯人の
着衣の一部をもぎとってもいない。死体の右手は右の乳房から離され、一応|掌の中を改....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
のない此の室に誘い、毒物で殺したんです。そこで直ちに園長の軽装を剥いで裸体とし、
着衣などは、あの大鞄に入れ其の夕方、何喰わぬ顔で園外に搬び去りましたが、それは後....
「赤外線男」より 著者:海野十三
官が、電話口で本庁へ報告をしているのを、横から聴いていよう。 「……というような
着衣の上等な点から云いましても、またハンドバッグの中に手の切れるような十円|札で....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
部屋で爪を切って居た氏。黙って壁に向って膝を抱いて居た氏。夜陰窓下の庭で上半身の
着衣を脱いでしきりに体操をして居た氏。ふと、創作の机から上げた氏の顔が平生の美貌....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
とうに明らかなんだし、燐の臭気はないし、ラジウム化合物なら皮膚に壊疽が出来るし、
着衣にもそんな跡はない。まさしく皮膚から放たれているんだ。そして、この光には熱も....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
と、蛍光が、幕面を照らした。 実にたくみに、頭目の全身の透視像が幕面に写った。
着衣や冠の輪廓がうすく見える中にありありと黒く、むざんな骸骨姿がうつしだされた。....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
てしまった。 奇蹟はまだつづいた。このとき聖者の身体から、絢爛《けんらん》たる
着衣がするすると下に落ちた。と、聖者の肉体がむき出しに出た。が、それは黄いろく乾....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
きりしている。雪国の冬だけれども、天気は好し、小春日和だから、コオトも着ないで、
着衣のお召で包むも惜しい、色の清く白いのが、片手に、お京――その母の墓へ手向ける....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
五つ紋の、その、紋の一つ一つ、円か、環の中へ、小鳥を一羽ずつ色絵に染めた誂えで、
着衣も同じ紋である。が、地は上下とも黒紬で、質素と堅実を兼ねた好みに見えた。 ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
実を載せた氷菓そっくりであるが、それ以外には外傷は勿論血痕一つない。のみならず、
着衣にも汚れがなく、襞も着付も整然としている。泥の附着も地面に接した部分にだけで....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
んだ。 意外にもそれは、幡江の下手人と目されている、風間九十郎だったのである。
着衣も、腐汁に浸みた所だけは、腐ってボロボロになり、そこから黄ばんだ、雁皮みたい....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
大分切ったので、今度は大変に楽で有った。 二人は矢張り元の岸へ戻った。竜次郎は
着衣類や大の腰の物を残したからだ。小虎は又先へ行くには、人喰い藻が切開いて無いの....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
豪州) 万里を行く旅遊の道はまだなかばにもならず、珊瑚州のあたり夕日に風が吹く。
着衣は寒くおのずから家郷から遠くはなれたことをさとり、豪州の海の秋の濤ははるかな....