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「督する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

督するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ふらち》を詳細に知らしてよこした手紙が来て、自分としては葉子のひとり旅を保護し監督する事はとても力に及ばないから、船から上陸する時もなんの挨拶《あいさつ》もせず....
梓川の上流」より 著者:小島烏水
の小舎というのがそれで、放し飼の牛馬を一頭|幾銭《いくら》という、安い賃金で、監督する男が住んでいる、川を渉って七、八町も行くと、この宮川の小舎へ出る。 ここ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ですから」と言い足した、成るほど成るほど、夫で読めた、乳婆ならば何となく秀子を監督する様な素振りの見ゆるも尤もだ、乳婆ならば振り放したとて向うが平気で随って居る....
家霊」より 著者:岡本かの子
えた。今は娘のくめ子の小麦色の顔が見える。くめ子は小女の給仕振りや客席の様子を監督するために、ときどき窓から覗く。すると学生たちは奇妙な声を立てる。くめ子は苦笑....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たんですか」と、わたしは訊いた。 「何百人の人足がはいっているのですが、それを監督する人入れの組々がありますから、それについて調べれば判るわけです。伝蔵は芝の人....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
呉郡の無錫という地には大きい湖があって、それをめぐる長い坡がある。 坡を監督する役人は丁初といって、大雨のあるごとに破損の個所の有無を調べるために、坡のま....
わが町」より 著者:織田作之助
学校からひけて来ると、婆さんは君枝と遊んでやる。銭湯へも連れて行く。おさらいも監督する。夜、添寝してやる。君枝が寝入っても、婆さんは寝てしまわない。他吉の帰りを....
無惨」より 著者:黒岩涙香
きたる入口の戸を開き「谷間田、何うした略ぼ見当が附たかえ」とて入来るは此事件を監督する荻沢警部なり谷間田は悪事でも見附られしが如く忽ち椅子より飛退きて「ヘイヘイ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
今五十頭ばかり居る。種牛は一頭置いてある。牧夫が勤めの主なるものは、牛の繁殖を監督することであった。礼を言って、私達はこの番人に別れた。 その二 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
れはよいお店だ。」 その店先は、亭主が帳場格子のところにいて染め物の仕事場を監督する場所である。正香は仕事場の方を縫助にさして見せた。入り口から裏の物干し場へ....
陸判」より 著者:田中貢太郎
「では、あなたは、冥途で何をしております」 「陸判官が推薦して、裁判の事務を監督する役にして、官爵を授けてくれたから、すこしも苦しいことはないよ」 そこで細....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
ムが言った。「降りるんだよ。」 トゥリローニーさんは、スクーナー船での作業を監督するために、波止場のずっと下手にある宿屋に泊っていた。で、そこまで私たちは歩い....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
場の掘割は全線を通じて最も大規模の難工事であった。小林浩平は数多の土方や工夫を監督するために出張して、長峰に借家をする。一切の炊事は若い工夫が交代に勤めている。....
遠州地方の足洗」より 著者:喜田貞吉
徳川時代の法制では、エタは非人の上に立って、これを支配監督する地位にいたのではあるが、非人には通例足を洗うて素人に成ることが出来るという....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
の監督をするのである。朝鮮語で『オソオソ!』、つまり早く早く、とせき立てながら監督するわけだ。だがこの仕事はかげひとつない炎天の河原で一日中立っていなければなら....