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睥
「睥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
睥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
んかい》堂の展覧会などへ行くと、必ず二三人はこの連中が、傲然《ごうぜん》と俗衆を
睥睨《へいげい》している。だからこの上明瞭な田中君の肖像が欲しければ、そう云う場....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
びと》もが、意識的に彼の高慢を許していた。青木は傲然として、知識的にクラス全体を
睥睨《へいげい》していたのだ。雄吉が、初めて青木の威圧を感じたのは、高等学校に入....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ばかりの巨人が、金剛力士さながらに怒張した四肢を張って、口を引ん歪め、半ば虚空を
睥睨しているのだ。 そして、その二人に挟まって蹲んでいるのが、頭髪を中央から振....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、場所によっては見あげるばかりの大達磨が、雪解け路に行き悩んでいる往来の人々を
睥睨しながら坐り込んでいた。 しかもそれらの大小達磨は、いつまでも大江戸のまん....
「食魔」より 著者:岡本かの子
々その結ぼれを深めた。正常な教養を持つ世間の知識階級に対し、脅威を感ずるが故に、
睥睨しようとする職人上りで頭が高い壮年者と青年は自らの孤独な階級に立籠って脅威し....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
女客達が麻川氏を囲んで大柄に坐りこみ、麻川氏の座敷から廊下や庭を往き来する人達を
睥睨するのも愉快では無い。私などそんな女達や陰口の上手な麻川氏等に何を云われて居....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
野火、炎々。絹地に三羽の烏あらわる。 凝視。 彼処に敵あるがごとく、腕を挙げて
睥睨す。 画工 俺の画を見ろ。――待て、しかし、絵か、それとも実際の奴等か。 ――幕―― 大正二(一九一三)年七月....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
に編み上げたようなアームチェーアや現代機械の臓腑の模型がグロテスクな物体となって
睥睨し嘲笑し、旧様式美に対する新様式の反逆を直截簡明に宣言している一群の進撃隊の....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
。ところが、一向困ったような様子もせず、ノンビリと両腕を卓の上へ這わせて、場内を
睥睨するのだ。その様子が迚も僕には面白かったのでその女と踊ることとし、踊った。 ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
に睨み付ける。時によると、主人でも叱り付けるという勢いであるから、この金蔵老人に
睥睨されると、大抵のものは縮み上がってしまうのである。それは榎本君からかねて言い....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、悪紙悪墨の中に燦めく奔放無礙の稀有の健腕が金屏風や錦襴表装のピカピカ光った画を
睥睨威圧するは、丁度|墨染の麻の衣の禅匠が役者のような緋の衣の坊さんを大喝して三....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
学校学生は突然の廃校命令に不平を勃発して、何の丁稚学校がという勢いで商業学校側を
睥睨した。今ならこんな専制的命令が行われるはずもなく、そういう場合学生は聯合して....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
ぞれ派せられている、何れも三千米突内外の同胞、自ら中堅となって四股を踏み、群雄を
睥睨しおる様は、丁度、横綱の土俵入を見るようだ。さはいえ、乗鞍や槍の二喬岳を除け....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
に富士の姿が思い出された。富士のような三国一の高名者になろう。富士のように群峯を
睥睨して聳え立とう。これまでも慧鶴は何事かに情熱をそそられるとき、其処に幼い時か....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
である。ことにもと家人・侍などと呼ばれた賤者も、時を得ては武士となって高く社会を
睥睨する様になった世の中のこととて、古え「大みたから」と呼ばれた農民までが、一様....