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「睦言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

睦言の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
夫たちは、西沢が全力をあげて混ぜっかえすにもかかわらず、三上をおだて上げて、その睦言《むつごと》の全部を繰り返させた。 「そうすると、西沢のど助平め、何というか....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
とは第二で、あまり農事の忙しくならないうちに、玉の緒かけての恋中に、長閑な一夜の睦言を遂げさせたい親切にほかならぬ。 お千代が一緒というので無造作に両親の許し....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ついこないだ、羽州《うしゅう》羽黒山のふもとから出て来たというんでしてネ。ねやの睦言《むつごと》って奴も、なかなか呑み込めねえんで――おみいさまあ、また、ずくに....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
寝ないで、そこに、羽二重の厚衾、枕を四つ、頭あわせに、身のうき事を問い、とわれ、睦言のように語り合う、小春と、雛妓、爺さん、小児たちに見せびらかした。が、出る時....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
せるに足りた。木の葉の下を吹く風のままに、煙のように吹き去られ散らさるるそれらの睦言《むつごと》は、書物の中で読んだばかりでは、その魔術的な力を感ずることは難い....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
しかし不思議にもわしは自分ながら若返ってくるような気がする。わしは森の中に行って睦言《むつごと》を聞きたいくらいだ。麗しく幸福である道を心得てるそれらの若者ども....
人造物語」より 著者:海野十三
川乱歩氏は、「人でなしの恋」を書かれて、人形に恋した男が蔵の中で、人形とホソボソ睦言を囁き、あげくの果は、美しい夫人を残して、その人形と情死するという筋を描かれ....
南国太平記」より 著者:直木三十五
でもねえ奴に、見つかっちまった) 小藤次は、深雪の処置を心配するよりも、一度の睦言《むつごと》も交えずに、別れなくてはならなくなった自分の恋に、悲しい失望と、....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
て、一瞬の後に、酬いられようとしている。 じぶんの腕の包囲のなかにとり込めて、睦言し、涙を流し、愛撫し、幾度も誓ったあの夜の少女は、いま、じぶんと咫尺を隔てて....
空家」より 著者:宮崎湖処子
んと、濁酒鶏肉の用意に急ぎぬ、 その夜夫婦は最も温かなる寝床をとり、最も悲しき睦言《むつごと》を語れり、一生の悲哀と快楽を短か夜の尽しもあえず鶏は鳴きぬ、佐太....
かもめ」より 著者:神西清
(『ハムレット』のセリフで)いや、膏ぎった汗臭い臥床に寝びたり、豕同然の彼奴と睦言…… 仮舞台のかげで角笛の音。 トレープレフ さあ皆さん、始まります。静粛に....