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睨む
「睨む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
睨むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
よろしくと申されました」
というと、いつもの癖の眼鏡の上の方から眼を覗かせて、
睨むようにこっちを見ていた奥様は、
「父がよろしくと申されましたかね。あの(とい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ンと極る。 「兇状持え?」とお蔦も袖を抱いたのである。 め組は、どこか当なしに
睨むように目を据えて、 「それを、私ア、私アそれをね、ウイ、ちゃんと知ってるんだ....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
はござりませぬ。……やがて、」 と例の渋い顔で、横手の柱に掛ったボンボン時計を
睨むようにじろり。ト十一時……ちょうど半。――小使の心持では、時間がもうちっと経....
「海異記」より 著者:泉鏡花
いにずッと伸した! その、十丈、十五丈、弓なりに上から覗くのやら、反りかえって、
睨むのやら、口さあげて威すのやら、蔽わりかかって取り囲んだ、黒坊主の立はだかって....
「春昼」より 著者:泉鏡花
と其処ら※したそうでございますよ。 傍にいて覗き込んでいた、自分の小児をさえ、
睨むようにして、じろりと見ながら、どう悠々と、肌なぞを入れておられましょう。 ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
の毒竜の爪なり。迅速に一縮す。立直るや否や、剣を抜いて、頭上に翳し、ハタと窓外を
睨む。 侍女六人、斉しくその左右に折敷き、手に手に匕首を抜連れて晃々と敵に構う。....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
でな、十銭下さいまし。」 「どえらい事や。」 と、しょぼしょぼした目を※った。
睨むように顔を視めながら、 「高いがな高いがな――三銭や、えっと気張って。……三....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
テ怪しやな、汝、人魂か、金精か、正体を顕せろ! とトロンコの据眼で、提灯を下目に
睨む、とぐたりとなった、並木の下。地虫のような鼾を立てつつ、大崩壊に差懸ると、海....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
天地人とか何んとか言って、禅の問答をするように、指を三本、ひょいと出してギロリと
睨む……五十七歳とかけと云うのさ。可いかね、その気だもの……旅籠屋の女中が出てお....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
そこに泊ることも出来ないので、仕方が無いから帰って来たんだ。」 お貞は聞きつつ
睨む真似して、 「憎らしいねえ。人の気も知らないで、お友達とトランプも無いもんだ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
うのを、滝太郎は独り見て取って、何か憚る処あるらしく、一度は一度、婦人が黒い目で
睨む数の重るに従うて、次第に暗々|裡に己を襲うものが来り、近いて迫るように覚えて....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
に就いて、」 境の前に蹲んだ時、山伏は行衣の胸に堆い、鬼の面が、襟許から片目で
睨むのを推入れなどして、 「実は、貴辺よりも私がお恥かしい。臆病から致いてかよう....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
、今見し処に偉大なる男の面赤きが、仁王立ちに立はだかりて、此方を瞰下ろし、はたと
睨む。何某はそのまま気を失えりというものこれなり。 毛だらけの脚にて思出す。以....
「山吹」より 著者:泉鏡花
んだよ。望んでおくれな。爺さん、叶えさしておくんなさいな。 人形使 (無言のまま
睨むがごとく見詰めつつ、しばらくして、路傍に朽ちし稲塚の下の古縄を拾い、ぶらりと....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
人、左の手を懐に、右を頤にあてて傾きながら、ばりかんを使う紋床の手をその鋭い眼で
睨むようにして見ているのであった。 客は向うへ足を伸して、 「そうだろう、人情....