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睨める
「睨める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
睨めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
ですね。弟子は傲慢な質と見えて、カッと顔を赤くしたそうです。師匠は生意気な弟子を
睨めると、『君の絵より、その顔面の朱の方が発色が好いじゃないか?』と申しました。....
「星あかり」より 著者:泉鏡花
屋の軒にかかった杉の葉も、百姓屋の土間に据えてある粉挽臼も、皆目を以て、じろじろ
睨めるようで、身の置処ないまでに、右から、左から、路をせばめられて、しめつけられ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ず、遠くもなく近くもなく、纏《まと》まって響いて来るのであります。猿どもは米友を
睨めると共に、しきりにその声のする方を気にしているようです。 そのうちにどうし....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
癖、旦那は、環々ッて、まあ、どんなに可愛がったろう。頭へ手なんざ思いも寄らない、
睨める真似をしたこともなかったのに、かえって私の方が癇癪を起しちゃ、(母様)と傍....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
にはじまったことではありません。お銀様は、いつでも物を見るということはなく、物を
睨めることのほかには為し得ない人ですから、当然その眼が伊勢の国へ向いている時は、....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
そうじゃないかと思ったの。」 「ただそんな気がしたからさ。」 「嘘仰しゃいよ。」
睨めるようにした彼女の眼付が、保子のとそっくりな閃きを見せた。周平はぎくりとした....
「おせん」より 著者:邦枝完二
。 「八つぁん、ちょいと来てくんな」 「何んだ藤さん」 立って来た八五|郎を、
睨めるようにして、藤吉は口を尖らせた。 「お前、あとから誰が来るか、知ってるかい....
「一人舞台」より 著者:ストリンドベリアウグスト
しても遠ざかることが出来なかったのだわ。なんでもお前さんはその黒い目で、蛇が人を
睨めるようにわたしを見ていて、わたしを化してしまったのだわ。今思って見ればわたし....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と助広の柄にかかり、両眼は、おそろしい殺気をふくんで、お綱の白い襟あしをハッタと
睨める。 そぼろ助広へ気合がかかれば、お綱の胴か細首かは、ただ一|閃に両断され....