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睹
「睹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
睹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
に効ふに。 山霊 蔵るゝことを容さず、 辟歴 岡阜を破りぬ。 門を出でゝ 天日を
睹る、 行也 焉にぞ 肯て苟もせん。 一挙して 即ち北に上れば、 親藩 待つこと....
「貧を記す」より 著者:堺利彦
け合いたりし金トントできず。原稿もできず。 障子も立てたらぬ家の中にあれば、環
睹蕭条、悲惨なるがごとくまたこっけいなるがごとし。 引ッ越してより五、六日、い....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
は何を申すぞ、この一|埓、表立って江戸大公儀に聞えなば、家名断絶、秩禄没収は火を
睹るより明らかじゃ。せめては三河ながらの由緒ある家名だけはと存じて、主水之介、わ....
「牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
、天|陰り雨|湿うの夜、月落ち参横たわるの晨、梁に嘯いて声あり。その室を窺えども
睹ることなし、蠅営狗苟、羊狠狼貪、疾きこと飃風の如く、烈しきこと猛火の若し。喬家....
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
にここに微小な人間があって物質分子の間に立ち交じり原子内のエレクトロンの運動を目
睹しているがその視力は分子距離以外に及ばぬと想像する。このような人間の力学が吾人....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に堪えなかったのも無理はない。いわんや肺病の恋人と肺病の母とを持ち、母の喀血を目
睹した彼女の胸中を察すればふびんに堪えない。私はひたすらに彼女の今後における人間....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の結果として、『朝日新聞』はその所謂「自由主義」を著しく控え始めた。之は紙面を目
睹したものの詐ることの出来ない印象である。当然堂々と大々的に取り扱われるべき記事....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
が転倒して一時発狂状態にありました。その父親のごとき境遇にあって、愛児の苦痛を目
睹しつつ、いかにして人生を感謝することができましょうか。しかも人生は美であり、調....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
かった。アレカラ先き当分露国に滞留して革命にも遭逢し、労農政府の明暗両方面をも目
睹したなら、その露国観は必ず一転回して刮目すべきものがあったであろう。舞台の正面....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
とく紳士的であるとしてもないとしても、かなりに目のよく利く好者であることは、私の
睹る目をもってしても間違いは無いつもりである。 この一事をもって考えるとしても....
「人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
達のいう芸術家でもない。 最も正直な人間は、誠実なる人間は、この現実を空しく目
睹するに忍びなかろうと思う。そして、凝視して、飽迄もその真相を突きとめ、原因を究....
「牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
し、天陰り雨|湿うの夜、月落ち参横たわるの晨、梁に嘯いて声あり。其の室を窺えども
睹ることなし。蠅営狗苟、羊狠狼貪、疾きこと飄風の如く、烈しきこと猛火の如し。喬家....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
れに関する資料の蒐集に留意し、またしばしば部落内に出入して、彼らの生活の現状を目
睹し、その有識者と談話を交換するに及んで、一般社会のこれに関する観察の誤れる者少....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
れ了るならば、人類の理性と情性とを進歩せしめる動力は事実上全く失われることは火を
睹るよりも瞭らかである。吾々はこの二つの思想・世界観の対比に於て初めて双方の思潮....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
蝕鏤し、彫刻する材料たらしめる。私達は夏が来るまで親しく其装飾された山谷の模様を
睹る可き自由を欠いているが、山は其間にこの豊富な材料の幾割かを費消して、象嵌す可....