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瞠目
「瞠目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瞠目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
向けたと思うと、毒風《どくふう》を避ける人のようにさっさと堂外へ去ってしまった。
瞠目《どうもく》した神父を残したまま。………
(大正十二年三月)....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
くも連載した。これは文壇の現象としてはかなり唐突だったので、文人諸家は驚異に近く
瞠目したし、読者側ではどよめき立って好奇心を動かし続けた。なかで麻川氏の戯画化に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
な彼に似げない自嘲めいた笑を洩らすのだった。
実に、怪奇な栄光に続いて、法水を
瞠目せしめた死体現象がもう一つあったのだ。ダンネベルグ夫人が横たわっている寝台は....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
だ、僕の俊敏の頭脳と、卓抜の手腕と、厳酷の人格を時折ちらと見せて、あらゆる人間に
瞠目させたい等と頬杖ついて、うっとり思案してもみるのだが、さて、僕には、何も出来....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
底から海底へ落ちる。今舷側を切って見せてやるよ」 おどろいた構造の軍艦である。
瞠目するアメリカ人を尻目に、博士は、こんどは電気メスをとって、舷側をぴちぴちごし....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
七十八の祖母が、茶盆に何か載せて出た。 これにお京のお諸礼式は、長屋に過ぎて、
瞠目に価値した。 「あの、お祖母様……お祖母様。」 二声目に、やっと聞えて、 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
三十代の若さであること。 学問の豊かなことは、ちょっと叩いてみても、駒井をして
瞠目《どうもく》せしむるものが存在していたということ。 そこで、つまりこの青年....
「愛よ愛」より 著者:岡本かの子
見える。というわたしをこの人はまだこどものように見てなにかと覚束ながる。互に眼を
瞠目って、よくぞこのうき世の荒浪に堪うるよと思う。 おいおいたがいに無口になっ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
かを、大尽《だいじん》客がそぞめかすように、日ごとの芝居茶屋通いで、世間のものを
瞠目《どうもく》させたのだった。男|妾《めかけ》――いやな字だが、そんなふうにも....
「二合五勺に関する愛国的考察」より 著者:坂口安吾
って、にわかに容易ならぬ自信をえた。それは要するに、例の二合一勺と切支丹の三合に
瞠目した結果にほかならぬのだが、私といえども、二合一勺のそのまた欠配つゞきでも祖....
「日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
納めあそばさるることとなられた。そうして裴世清は饗応され、日本の素晴らしい文化に
瞠目し帰国したが、その帰国する裴世清を送って再び妹子は隋に向かった。その際聖徳太....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、そして、絵画と詩との鑑識家でもあった。彼女はフロオレンスふうのダンスを、傍人を
瞠目せしめる高雅さで踊った。会話はユーモアのみならず、光彩と機智にあふれて、充分....
「福沢諭吉」より 著者:服部之総
諸変革の大波が、堤を切ってはんらんした。福沢にとってはただ寝耳に水である。いかに
瞠目《どうもく》してはじめて「政治」を彼は凝視したか! そして歓喜したか! 「....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
人窺うことが出来ぬ。
そして一番忠実な臣下の耳に囁いて、
それが行われると、天下
瞠目する。
そんな風で、永く最高の地位、最大の権威を保つのだ。
受用は人を陋しゅ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
がともあれ、婚礼の夜の春美こと児子|賀来子の著しく化粧栄えのした容貌は、人々を
瞠目させ、千恵造は羨望された。伝三郎の言を借りると、千恵造は、「後々へ別嬪な女子....