瞠若[語句情報] » 瞠若

「瞠若〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

瞠若の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
才《ひさい》、双肩《そうけん》を圧し来って、ややもすれば我れをして後《しり》えに瞠若《どうじゃく》たらしめんとすといえども、我れあえて心裡の牙兵を叱咤《しった》....
女神」より 著者:太宰治
勝手のカーテンから顔を出して笑った。健康そうな、普通の女性である。しかも、思わず瞠若《どうじゃく》してしまうくらいの美しいひとであった。 「きょうは、弟を連れて....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
を営み太宰府一の長者、その息女お蘭の美形ならびなく、七つ八つの頃から見る人すべて瞠若し、おのれの鼻垂れの娘の顔を思い出してやけ酒を飲み、町内は明るく浮き浮きして....
惜別」より 著者:太宰治
慶長十八年すでに支倉六右衛門常長を特使としてローマに派遣して他藩の保守|退嬰派を瞠若させたりなどして、その余波が明治維新後にも流れ伝っているのか、キリスト教の教....
春昼」より 著者:泉鏡花
方で、」 呀? 茶釜でなく、這般文福和尚、渋茶にあらぬ振舞の三十棒、思わず後に瞠若として、……唯苦笑するある而已…… 「これは、飛んだ処へ引合いに出しました、....
十二支考」より 著者:南方熊楠
事でも黙っていては顕われず、空しく欧米人をして発見発見と鼻を高からしめ、その後に瞠若《どうじゃく》たりでは詰まらぬ。こう言うとお手前拝見と来るに極まって居るから....
十二支考」より 著者:南方熊楠
る発端に、時節は変ったが聖教はいつも変らぬと口を切ったそうだ。ところがこの牧師も瞠若《どうじゃく》と尻餅を搗《つ》かにゃならぬ珍報が一八六二年の諸新聞紙に出た。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
スの大祭に髪を捌《さば》いて被《おお》うたばかりの露身の肌を日光に照らし、群衆|瞠若《どうじゃく》として開いた道を通って海に入り神を礼し、返って千々に物思う人ほ....
新しい婦人の職場と任務」より 著者:宮本百合子
的な和気あいあい的なものではない。その労作の面で課せられる仕事の実質は、大の男を瞠若《どうじゃく》たらしめるだけのものなのである。科学主義工業の提唱者は、おおう....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を利する勢力の消長につき、つねに具体的観察をもっていて、占星術の予言は世人を常に瞠若たらしめる適中を示しました。(事実の諸条件からの起り得べき可能を天候と人事に....
勉強記」より 著者:坂口安吾
てやったり、女の帯をしめてやったり、熟練の妙をあらわして、二人の青道心をしりえに瞠若たらしめた。 龍海さんも按吉も、何代目かの管長候補の厚意に対して感謝しない....
魔都」より 著者:久生十蘭
りかかって、フト頭を回らしてこの情景を眺めると、ギョッとしたようすで一二歩後えに瞠若したが、すぐ、佩剣の柄を握って、 「そこにいるのは誰だ」 と励声一番|誰何....
日本男子論」より 著者:福沢諭吉
るときは、疵《きず》持つ身の忽《たちま》ち萎縮して顔色を失い、人の後《しりえ》に瞠若《どうじゃく》として卑屈|慚愧《ざんき》の状を呈すること、日光に当てられたる....
日和下駄」より 著者:永井荷風
んじん》と戯号《ぎごう》して俳句を吟じ小説をつづりては常にわれらを後《しりえ》に瞠若《どうじゃく》たらしめた才人である。故山《こざん》に還《かえ》る時一句を残し....
西航日録」より 著者:井上円了
断行し得ざる空前の冒険旅行者を、哲学館出身者中より出だし、欧米人をして、その後に瞠若たらしめたるは、余が一層愉快とするところなり。すなわち、拙作をもってこれを祝....