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瞭然
「瞭然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瞭然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
か自分に帰っていた。石鹸を買ってしまって自分は、なにか今のは変だと思いはじめた。
瞭然《はっき》りした買いたさを自分が感じていたのかどうか、自分にはどうも思い出せ....
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
ので、暗いのは当然であったが、その隣家が寺町通にある家にもかかわらず暗かったのが
瞭然《はっきり》しない。しかしその家が暗くなかったら、あんなにも私を誘惑するには....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
職人体の半纏着を引捉えて、出せ、出せ、と喚いているからには、その間の消息一目して
瞭然たりで、車掌もちっとも猶予わず、むずと曲者の肩を握った。 「降りろ――さあ、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
りはしませんか。それが、楕円形をしているのですから、護符刀の束頭であることは一目
瞭然たるものです。そうなると、当然天寿を楽しむよりほかに自殺の動機など何一つなく....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、これはなんの剽窃であるかということは、少しく支那小説を研究なされた方々には一目
瞭然であろうと考えられます。甚だしきは、歴史上実在の人物の逸事として伝えられてい....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
で染めた水の中に、赤いものがあれば黝ずんで見えるのだから、何より色を見れば、一目
瞭然じゃないか。すると友田屋、これで逢痴の死が、戸板の中で行われたのでないという....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
箆棒めえ、そいつア土蔵破としての肩書だア。……この綱五郎の眼から見りゃア、一目
瞭然、娘っ子に違えねえ!」 人か幽鬼か 「ところで俺ら約束したっけなア、もう一度....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
方に、竜樹菩薩の化影が現われるようになりました」 「それは庵主、この太腿で、一目
瞭然たるものなんですよ」法水が白々し気に云い返した。「内側へ捻れているでしょう。....
「取舵」より 著者:泉鏡花
寸先は闇だ。そういう場合には名人は肚で漕ぐから確さ。 生憎この近眼だから、顔は
瞭然見えなかッたが、咥煙管で艪を押すその持重加減! 遖れ見物だッたよ。」 饒舌....
「アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
いた問題の下に立っている。誰がどんなに間違っているか、いないかは全級の生徒に一目
瞭然である。 次の教場ではよく肥えた女教師が、生徒の勉強している机の上に、デッ....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
て一層その傾向が強くなった。この事は芝居の大道具背景小道具等の変せんを見れば一目
瞭然とするはずである。芝居にしても、荒唐無稽な荒事から自然主義的な人情劇にかわり....
「妖怪学」より 著者:井上円了
生理、心理の両学あること明らかにして、人はこの生理、心理の二者に関すること、また
瞭然たり。しかして、医家の療法は、ひとりこの生理学に基づきて人の身部の上に療法を....
「弦斎の鮎」より 著者:北大路魯山人
楽といわれているひとの中にも、ずいぶんこの種のひとがいる。彼らの著書をみれば一目
瞭然である。一般的にいえば、彼らの著書の内容は、辞書の受け売りや他人の書物のつぎ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
うな敵は持たず、そのような危険になんら迫られてはいなかったのです」犯罪行為は一目
瞭然である。「かつ、閣下よ」――と彼は被告のほうに向き直って――「この点について....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
し、枯木が倒れるようにそのまま息が絶えたのです。 一時間ほど前までにはあんなに
瞭然として、楽しそうに話していたのに、それで突然、出しぬけに魂を奪われてしまうな....