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瞳子
「瞳子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
瞳子の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「永日小品」より 著者:夏目漱石
か》れはおそらく木の葉も、幹の形も意識していなかったのだろう。青味がかった黄色い
瞳子《ひとみ》を、ぼんやり一《ひ》と所《ところ》に落ちつけているのみである。彼れ....
「草枕」より 著者:夏目漱石
びるを商売にしている。彼らは嫖客《ひょうかく》に対する時、わが容姿のいかに相手の
瞳子《ひとみ》に映ずるかを顧慮《こりょ》するのほか、何らの表情をも発揮《はっき》....
「明暗」より 著者:夏目漱石
あいきょう》のない一重瞼《ひとえまぶち》であった。けれどもその一重瞼の中に輝やく
瞳子《ひとみ》は漆黒《しっこく》であった。だから非常によく働らいた。或時は専横《....
「道草」より 著者:夏目漱石
井を離れていた。しかし判然《はっきり》どこを見ているとも思えなかった。黒い大きな
瞳子《ひとみ》には生きた光があった。けれども生きた働きが欠けていた。彼女は魂と直....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
出来ないのではない。させないのだ」 正隆は、彼の生活の記念ともいうべき正房を、
瞳子《ひとみ》のように心の中では愛していた。が、彼の教育に、その存在に、何の注意....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ない、どう見ても若殿様だ。立派なもんだ。どうして、お前さんのその不思議な左の目の
瞳子に見覚がなかった日にゃあ、名告られたって本当に出来るもんじゃあない、その替り....
「千世子」より 著者:宮本百合子
さんは一寸まゆをひそめる、それからこわいものを見る様にあけると手紙が入って居る、
瞳子の中に神経的のひらめきが上る、始っから一句も見のがすまいと読んで行く、中には....