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「瞽女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

瞽女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
盲人独笑」より 著者:太宰治
、痘を病んで全く失明するに及び、いよいよ琴に対する盲執を深め、九歳に至りて隣村の瞽女《ごぜ》お菊にねだって正式の琴三味線の修練を開始し、十一歳、早くも近隣に師と....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
と、自分で自分を嘲《あざけ》った様なことがしばしばあったのである。 村の或家さ瞽女《ごぜ》がとまったから聴きにゆかないか、祭文《さいもん》がきたから聴きに行こ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あらわれている久保町の一部に過ぎない。青山五丁目六丁目は百人町の武家屋敷で、かの瞽女節でおなじみの「ところ青山百人町に、鈴木|主水という侍」はここに住んでいたら....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
いうので、小面憎く思った輩はいかにも面白い話ができたように話している。村の酒屋へ瞽女を留めた夜の話だ。瞽女の唄が済んでからは省作の噂で持ち切った。 「省作がいっ....
黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
たしなんでいたが、わけても箏曲を死ぬ程好いていた。 音絵の琴の師匠は歌寿と呼ぶ瞽女の独り者であった。歌寿は彼女の天才をこの上もなく愛して、「歌寿」と彫った秘蔵....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
脊負って僅か旅籠町を歩いたぐらいでは何程の事も有りませんで、此の頃は萬助の世話で瞽女町へ行きますが、旅籠屋も有りますから些とは商いも、瞽女町だけにまア小間物は売....
太十と其犬」より 著者:長塚節
た。死ぬ迄も依然として身体は丈夫であったけれど何処となく悄れ切って見えた。それは瞽女《ごぜ》のお石がふっつりと村へ姿を見せなくなったからであった。彼がお石と馴染....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いた、襟が白い、が白粉まだらで。…… 「……風体を、ごらんなさいよ。ピイと吹けば瞽女さあね。」 と仰向けに目をぐっと瞑り、口をひょっとこにゆがませると、所作の....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
光景が不思議を極めていたからであった。そこには十人の男がいた。一人は按摩、一人は瞽女、もう一人は琵琶師、もう一人は飴屋、更に、居合抜に扮したもの、更に独楽師に扮....
初看板」より 著者:正岡容
一膳めし屋へ、額へ即効紙を貼った汚い婆さんがジャカジャカ三味線を弾いて、塩辛声で瞽女唄《ごぜうた》のようなものを歌って門付《かどづけ》をやっているんです。得たり....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
しら。」 「勘が持場あ外すわけあねえ。」 木枯に鳴る落葉と言おうか、家路を急ぐ瞽女《ごぜ》の杖といおうか、例えば身軽な賊の忍ぶような。 「開けて見べえ。」 ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
加減に白い眼を剥きつつ、「処、青山百人町の、鈴木|主水というお侍いさんは……」と瞽女の坊の身振りをして、平生小六かしい顔をしている先生の意外な珍芸にアッと感服さ....
伝通院」より 著者:永井荷風
、富坂下《とみざかした》の菎蒻閻魔《こんにゃくえんま》の近所に住んでいたとかいう瞽女《ごぜ》である。物乞《ものごい》をするために急に三味線を弾《ひ》き初めたもの....
私本太平記」より 著者:吉川英治
な。ほう、櫛はこうして挽くものか」 まんじゅう売り、心太売り、数珠屋、酒売り、瞽女の莚、放下師、足駄売り、鏡|研ぎ、庖丁師、何の前にでも、一応はちょっと佇んで....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
縁に付け、是にも絶対に叨らな行儀は無かったと謂っている。 しかしこういう正式の瞽女の巡ってあるく村里は、僅かな距離のうちに昔から限られていたようである。いわゆ....