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矗立
「矗立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矗立の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《したあたり》に待ッていろ」ト命じて其処から車に離れ、真直《まっすぐ》に行ッて、
矗立千尺《ちくりゅうせんせき》、空《くう》を摩《な》でそうな杉の樹立の間を通抜け....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
届くが、低いのでも階子か、しかるべき壇がなくては、扉には触れられない。辰さんが、
矗立して、巌の根を踏んで、背のびをした。が、けたたましく叫んで、仰向けに反って飛....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
※ったが、すぐ、それさえも茫となる。 その目に、ひらりと影が見えた。真向うに、
矗立した壁面と、相接するその階段へ、上から、黒く落ちて、鳥影のように映った。が、....
「死者の書」より 著者:折口信夫
明りに照し出されるほど、纏った現し身をも、持たぬ彼の人であった。 唯、岩屋の中に
矗立した、立ち枯れの木に過ぎなかった。 おれの名は、誰も伝えるものがない。おれす....
「取舵」より 著者:泉鏡花
きつつ、※息して面をぞ見合せたる。 まさにこの時、衝と舳の方に顕れたる船長は、
矗立して水先を打瞶りぬ。俄然汽笛の声は死黙を劈きて轟けり。万事休す! と乗客は割....