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矢数
「矢数〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矢数の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
士数十人異船へ乗り込みいよいよ打ち払いの由に相成り候。同夜、子の刻ごろより、石火
矢数百|挺打ち放し候ところ、異船よりも数十挺打ち放し候えども地方へは届き申さず。....
「記録狂時代」より 著者:寺田寅彦
ずだから、何かコンディションが違っていることと思われる。この話は井原西鶴の俳諧大
矢数の興行を思いださせる。 これらの根気くらべのような競技は、およそ無意味なよ....
「芭蕉について」より 著者:宮本百合子
から月ぎめの妾の境遇に到るまでを、写実的な俳諧で風俗描写している。住吉の社頭で大
矢数一昼夜に二万三千五百句を吐いた西鶴が、そのような早口俳諧をもってする風俗描写....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も聞いてるだろう、星野勘左衛門が京都の三十三間堂で、寛文の二年に一万二十五本の総
矢数《そうやかず》のうち、六千六百六十六本の通し矢を取って天下第一の名を取ったが....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
へ出て捲藁を射て励んでいた。 今日も今日とて裏庭へ出て、目指す的と捲藁を狙ッて
矢数幾十本かを試したので、少し疲れを覚えて来たゆえ、しばし一息を入れていると冷や....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
ぼたもち》たばす彼岸かな 短夜《みじかよ》や同心衆の川手水《かはてうづ》 少年の
矢数《やかず》問ひよる念者ぶり 水の粉やあるじかしこき後家《ごけ》の君 虫干や甥....
「三国志」より 著者:吉川英治
ったのである。舟をあやつる水夫だけであった。孫堅の命令で、水夫は、敵にいたずらな
矢数をつかい果たさせるため、暗澹たる江上の闇で、ただ、わあわあっと、声ばかりあげ....
「三国志」より 著者:吉川英治
陣中には今、そんなに矢がご不足ですか」 「されば、江上の大戦となれば、いま貯蔵の
矢数ぐらいは、またたく間に費い果たして、不足を来すであろうと考えられる」 「よろ....
「三国志」より 著者:吉川英治
乗りたる者こそまぎれもなき劉玄徳。これへかからば、白馬を目じるしに狙いをあつめ、
矢数石弾のあるかぎりあびせかけろ」と、三千の射手に命じた。 射手は、心得たりと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
すんで、片瀬川から龍ノ口へかけての野原では、さっきから競射が行われていた。徒士の
矢数、馬上の射懸け、騎兵群の乱取り、一騎駈け勝負など、調武あり試合あり、武者所の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
とも知ったように、日にまし猛攻を加えてきた。しかも、防ぎとする岩石や大木も、また
矢数にもかぎりがある。で、正成の指揮は一変していた。夜陰、間道をとっては、奇襲に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
口に着る美精好(織絹の名) 鎧、ひたたれ、なほ捨てず 弓も引けぬに犬追物 落馬は
矢数に勝りたり 誰を師匠となけれども あまねく流行る小笠懸け 在々所々の歌、連歌....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
をあわせても、せいぜい六、七百騎をこえてはいない。――そして初手の防戦につかった
矢数にしろ、もちろん、かぎりある物だった。 「かかれッ」 彼がこの号令を発した....
「姫たちばな」より 著者:室生犀星
っていた。番えた一番の矢はほとんど同時に互の胸部をさし貫いたものとしか、時間や、
矢数の関係から考える外はなかった。鏃の深さと狙いの確かさは二人の精神的に重畳され....