矢石[語句情報] »
矢石
「矢石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矢石の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
機嫌であった。酒宴の進むにつれ、寵臣は代る代る彼の前に進んだ。 「殿! 大坂陣で
矢石《しせき》の間を往来せられまして以来は、また一段と御上達遊ばされましたな。我....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
軍議の席に落ちて、四郎を傷けたことがある。城兵は、四郎を天帝の化身のように考え、
矢石当らず剣戟も傷くる能わずと思っていたのに、四郎が傷いたので、彼等の幻影が破れ....
「運命」より 著者:幸田露伴
謀して施為せるところの者は、即ち是れ孝陵の土|未だ乾かずして、北平の塵既に起り、
矢石京城に雨注して、皇帝|遐陬に雲遊するの因とならんとは。 太祖が諸子を封ずる....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
慮したような死守の勢いにまで長州方を追いつめてしまった。 幕府方にはすでに砲刃
矢石の間に相見る心が初めからない。金扇のかがやきは高くかかげられても、山陽道まで....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
だったと載す。プリニウスやルカヌスが書いたヤクルスてふ蛇は、樹上より飛び下りる事
矢石より疾く、人を傷つけてたちまち死せしむというは、上述わが邦の野槌の俗伝にやや....
「三国志」より 著者:吉川英治
軍も、一足あとから※陽の地を通りかけた。 するといきなり彼の軍へ向って城内から
矢石を浴びせかけて来たので、 「太守|徐栄は、相国のため道を開き、帝の御車をお迎....
「三国志」より 著者:吉川英治
隊の埋伏の計が、果然、図にあたったのである。 天地も裂くばかりな轟音となって、
矢石鉄丸を雨あられと敵の出足へ浴びせかけた。側面攻撃に出た曹軍の夏侯惇、曹洪の両....
「三国志」より 著者:吉川英治
飢餓と烈寒のため、斃れ死んだ者がどれほどあったか知れない程であった。 「あわれ、
矢石の中で、死ぬものならば、まだ死にがいがあるものを」と、天を恨み、また曹操の苛....
「三国志」より 著者:吉川英治
ない。無二無三、城壁へとりついて、攀じ登ろうとした兵も、ひとり残らず、狙い撃ちの
矢石にかかって、空壕の埋め草となるだけだった。 張飛は、そこに野営して、翌日も....
「三国志」より 著者:吉川英治
高き所の一塁を占領したかにすら見えた。 すると、轟音一声、たちまち四方の櫓から
矢石は雨のごとく寄手の上に降ってきた。なお壕の附近にある兵の上には、大木大石が地....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
武家の膺懲を思し立たれ、笠置に籠り、隠岐ノ島に配所の月を見るなど、おん身に馴れぬ
矢石の御苦難をなされるようなことにもなってまいりまする」 「…………」 「されば....