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矢竹
「矢竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
矢竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ないから、余は早速巴里を指し出発する事とした。
第六十九回 悪魔の世界
心
矢竹《こころやたけ》に逸《はや》るとは此の時の余の思いであろう。一刻も早く巴里へ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
はしも、東に覇府ありてより幾百年、唯東へ東へと代々の帝父祖の帝の念じ玉ひし東征の
矢竹心を心として、白羽二重に緋の袴、五歳六歳の御遊にも、侍女を馬にして、東下りと....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
端の簇を飛ばすらしい。けれども、五十歩にたりぬ向うの辻の柳も射ない。のみならず、
矢竹の墨が、ほたほたと太く、蓑の毛を羽にはいだような形を見ると、古俳諧にいわゆる....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
さ》るらん、 滞在一週間ばかりにて、母上の病気全く癒えければ、児を見たき心の
矢竹《やたけ》にはやり来て、今は思い止まるべくもあらねば、われにもあらず、能《よ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、親も子の傍へ来ることが出来なければ、子も親の側へ寄って行くことも出来ない。心は
矢竹にはやれどもわれ人ともに必死の場合とて、どうすることも出来ないのでした。 ....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
バンスは歯をくいしばった。だが発砲すると次郎とコスターにあたるかもしれない。心は
矢竹にはやれども、いまやどうすることもできない。 「さあこい、わしにつづけ」 ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
よ強くなって来た。山国の冬に馴れたる彼女は、泳ぐように雪を掻いて歩んだ。が、心は
矢竹に※っても彼女は矢はり女である。村境まで来る中に、遂に重太郎の姿を見失ったの....
「大力物語」より 著者:菊池寛
いと見えて、袖で顔をかくしているが、だんだん退屈して来たと見え板の間に荒づくりの
矢竹が二、三十ちらばってるのをいじっていたが、それを板の間におしつけると一本ずつ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
家もほっといたしたことでございます。 つきましては、即刻の上洛を思うこと、心も
矢竹にございますが、奥羽一たい、乱麻の状にて、余賊、容易に平定せず、さきに新田義....