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「知らせ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

知らせの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
自分たちと一しょに修学旅行に行く所を、出勤の途すがら見ようと思って、自分の子には知らせずに、わざわざ停車場へ来たのだそうである。 能勢五十雄は、中学を卒業する....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
壜詰めの牛乳の外に母の乳を知らぬことを恥じた。これは彼の秘密だった。誰にも決して知らせることの出来ぬ彼の一生の秘密だった。この秘密は又当時の彼には或迷信をも伴っ....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
この自然とあの人間と――十分《じっぷん》の後、下女の杉が昼飯の支度の出来たことを知らせに来た時まで、彼はまるで夢でも見ているように、ぼんやり縁側の柱に倚《よ》り....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
教員室の机に倚《よ》り懸《かか》りながら、ぼんやり何かに思い耽って、授業の開始を知らせる板木《ばんぎ》の音さえ、聞き落してしまうような事が度々あるのでございます....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ら、私はその翌日すぐに手紙をやって、保養がてら約束の釣《つり》に出たいと思う日を知らせました。するとすぐに折り返して、三浦から返事が届きましたが、見るとその日は....
」より 著者:芥川竜之介
に黒ぐろと和《なご》んでいた太平洋も。…… 六 彼の死んだ知らせを聞いたのはちょうど翌年《よくとし》の旧正月だった。何《なん》でも後《のち....
片恋」より 著者:芥川竜之介
んでしょう。向うが生身《いきみ》の人なら、語《ことば》をかけるとか、眼で心意気を知らせるとか出来るんですが、そんな事をしたって、写真じゃね。」おまけに活動写真な....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
中の「坊ちゃんが――」は、お栄の耳にも明かに、茂作の容態《ようだい》の変った事を知らせる力があったのです。が、祖母は依然として、今は枕もとに泣き伏した女中の声も....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。 「まあ、ふだんが達者だから、急にどうと云う事もあるまいがね、――慎太郎へだけ知らせた方が――」 洋一は父の言葉を奪った。 「戸沢《とざわ》さんは何だって云....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
には違いなかった。 「妹たちは大勢いるのか。」 「十六人居ります。――ただ今姥が知らせに参りましたから、その内に皆御眼にかかりに、出て参るでございましょう。」 ....
捨児」より 著者:芥川竜之介
の御勤めをしていると、これも好《い》い年をした門番が、捨児《すてご》のあった事を知らせに来たそうです。すると仏前に向っていた和尚《おしょう》は、ほとんど門番の方....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
笑いになりました。 「お前がこの島に止《とど》まっていれば、姫の安否《あんぴ》を知らせるのは、誰がほかに勤めるのじゃ? おれは一人でも不自由はせぬ。まして梶王《....
忠義」より 著者:芥川竜之介
同時に、本家からの附人《つけびと》にどう云う間違いが起っても、親類中へ相談なり、知らせなりしないのは、穏《おだやか》でない旨を忠告した。ところが、修理は、これを....
良夜」より 著者:饗庭篁村
二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ穂垂という家の苗字を世に知らせ、またその生国としてこの地の名をも挙るものなれとて、いよいよ珍重して教えら....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ったから、外国の学者に知り合いの出来たことは非常に都合が好く、自分の研究を大陸に知らせるにも非常な便宜を得た。ことにフランスではアカデミー(Academie)の....