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「知らせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

知らせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
壜詰めの牛乳の外に母の乳を知らぬことを恥じた。これは彼の秘密だった。誰にも決して知らせることの出来ぬ彼の一生の秘密だった。この秘密は又当時の彼には或迷信をも伴っ....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
教員室の机に倚《よ》り懸《かか》りながら、ぼんやり何かに思い耽って、授業の開始を知らせる板木《ばんぎ》の音さえ、聞き落してしまうような事が度々あるのでございます....
片恋」より 著者:芥川竜之介
んでしょう。向うが生身《いきみ》の人なら、語《ことば》をかけるとか、眼で心意気を知らせるとか出来るんですが、そんな事をしたって、写真じゃね。」おまけに活動写真な....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
中の「坊ちゃんが――」は、お栄の耳にも明かに、茂作の容態《ようだい》の変った事を知らせる力があったのです。が、祖母は依然として、今は枕もとに泣き伏した女中の声も....
路上」より 著者:芥川竜之介
、また話を社会生活の暗黒面へ戻してしまった。 が、幸《さいわい》、その時開会を知らせるベルが鳴って、会場との境の扉《と》がようやく両方へ開かれた。そうして待ち....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
笑いになりました。 「お前がこの島に止《とど》まっていれば、姫の安否《あんぴ》を知らせるのは、誰がほかに勤めるのじゃ? おれは一人でも不自由はせぬ。まして梶王《....
忠義」より 著者:芥川竜之介
下部屋《しもべや》へ来る途中で発見した。そこで、すぐに御徒目付《おかちめつけ》へ知らせる。御徒目付からは、御徒組頭|久下善兵衛《くげぜんべえ》、御徒目付土田|半....
或る女」より 著者:有島武郎
一 新橋《しんばし》を渡る時、発車を知らせる二番目の鈴《ベル》が、霧とまではいえない九月の朝の、煙《けむ》った空気に....
或る女」より 著者:有島武郎
をまだ妹たちに打ち明けてなかったからだ。それはもう少し先に適当な時機を見計らって知らせるほうがいいという葉子の意見だった。倉地にもそれに不服はなかった。そして朝....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
てお前たちの中の一人も突然原因の解らない高熱に侵された。その病気の事を私は母上に知らせるのに忍びなかった。病児は病児で私を暫くも手放そうとはしなかった。お前達の....
星座」より 著者:有島武郎
いさんのことだった。しかしそれは葉書には書きうることではなかった。すべてのことを知らせるのはあとからにしよう、そう思いながら園は星野への葉書を破って屑籠に抛《ほ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ジヤが感ぜられる。漁夫たちの船歌は一段と勇ましくなって、君の父上は船の艫に漁獲を知らせる旗を揚げる。その旗がばたばたと風にあおられて音を立てる――その音がいい。....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ことでも何かしら一つの目的はあるのである。これに対してある人は、天界はただ年月を知らせる時計にすぎないと答えるかもしれない。しかしそれだけならば太陽と太陰とだけ....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
くりしたのしないのではありません。夜番が死んだまま生きかえらないのです。さっそく知らせる、相談がはじまる、明くる朝、死体は病院にはこばれました。 ところで、月....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ったから、外国の学者に知り合いの出来たことは非常に都合が好く、自分の研究を大陸に知らせるにも非常な便宜を得た。ことにフランスではアカデミー(Academie)の....