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知れる
「知れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
知れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
の上に起させた。それはかたくむすんでいた彼の唇が、この時急にゆるんだのを見ても、
知れることであろう。
「最後に、そういう位置へ己を置いた相手が、あの眇だという事....
「河童」より 著者:芥川竜之介
否や?
トック君の心霊はこの問に答うるにさらに問をもってしたり。こはトック君を
知れるものにはすこぶる自然なる応酬《おうしゅう》なるべし。
答 自殺するは容易....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
を受けるような人物では決してなかった。が、翌日瀬沼兵衛の逐天《ちくてん》した事が
知れると共に、始めてその敵《かたき》が明かになった。甚太夫と平太郎とは、年輩こそ....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
のよさそうな顔をしているので、供《とも》の侍たちが、不思議に思ったと云うのでも、
知れるのである。
彼は、むしろ、宗俊に煙管をやった事に、一種の満足を感じていた....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
の及ぶ範囲が、思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら、
知れるのは、その中に裸の死骸と、着物を着た死骸とがあるという事である。勿論、中に....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
りにはもう靄《もや》さえ動いていたが、その若者が素戔嗚だと云う事は、一目見てさえ
知れる事であった。彼は今日射止めたらしい山鳥を二三羽肩にかけて、悠々と楡の下まで....
「或る女」より 著者:有島武郎
に流れていた。
一三
そこだけは星が光っていないので、雲のある所がようやく
知れるぐらい思いきって暗い夜だった。おっかぶさって来るかと見上くれば、目のまわる....
「或る女」より 著者:有島武郎
おれたちの事が出た時でもが、あわてるがものはないと思っとったんだ。どうせいつかは
知れる事だ。
知れるほどなら、大っぴらで早いがいいくらいのものだ。近いうちに会社の....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
の保証で少し位は融通すると付加えるのを忘れなかった。しかし仁右衛門は小屋の所在が
知れると跡は聞いていなかった。餓えと寒さがひしひしと答え出してがたがた身をふるわ....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
思ったのか、いきなりポチが走って来て、ほえながら飛びつこうとしたが、すぐぼくだと
知れると、ぼくの前になったりあとになったりして、門の所まで追っかけて来た。そして....
「星座」より 著者:有島武郎
轍《とてつ》もなくこんなことをいった。
猿みたいだった。少しそねんでいることが
知れる。西山は無頓着であろうとした。
「そんなことを聞いているんじゃない。知らず....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
軽な冗談とか、洒落とか、野鄙な文句とか、頓珍漢な理窟とか、嘘や出鱈目とかは、私の
知れる限りに於て、全然痕跡もなく、何れも皆真面目な教訓、又は忠言のみであった。 ....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
僕の
知れる江戸っ児中、文壇に縁あるものを尋ぬれば第一に後藤末雄君、第二に辻潤君、第三....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
緊しく張っているのと、痙攣のように体が顫うのとを見れば、非常な努力をしているのが
知れる。ある恐るべき事が目前に行われているのが
知れる。 「待て。」横の方から誰や....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
せた。なんとも乱暴なことをしたもので、今でも故郷に帰るとこれが昔話にされる。私は
知れると母にしかられるので黙っていたが、母はどこかで聞いたとみえ畑仕事から帰ると....