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「知識欲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

知識欲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
鮮明な映像を得られなかったのは当然である。それでもこの失敗した試みが自分の理学的知識欲を刺激する効果のあっただけは確かである。南国の盛夏の真昼間の土蔵の二階の窓....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
《こだわ》らずにはおられなかった。彼は、オランダの事物、学術、ことに医術に対する知識欲に渇《かつ》えながら、妙な意地から、心のままに質問することができなかった。....
高山の雪」より 著者:小島烏水
しかしながら、単に「雪で白い山」だけなら、理解力の幼稚な小児でも言える。私どもの知識欲は、この荘厳にして視神経を刺戟する程度の強さが、容積の大から来るそれに匹敵....
イズムの功過」より 著者:夏目漱石
直接に支配するために作られたる指南車《しなんしゃ》というよりは、吾人《ごじん》の知識欲を充たすための統一函である。文章ではなくって字引である。 同時に多くのイ....
銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
屋があって、そこの御膳汁粉が「十二か月」のより自分にはうまかった。食うという事は知識欲とともに当時の最大の要事であったのである。 父に連れられてはじめて西洋料....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
芸術とともに哲学をも要求せずにはいられない。これじつにわれらの飽くことを知らざる知識欲の追求にあらずして、日々の実際生活に眉近く迫れる痛切なる現実の要求である。....
呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
想起する。『人身生理学』は中学校程度の教科書としては甚だくわしいもので、そのころ知識欲の熾であった私の心を刺戟したのみでなく、その文章はたとえば、「作業ノ健康ニ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。一日の激しい労働を終わって、狭い息苦しい講堂にやって来、疲労よりもさらに強い知識欲をいだいてる、それら労働者らの集まりは、感嘆すべき光景を呈していた。しかし....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ろへやって来た。あの不可思議な話以来、一つの革命が少年のうちに起こっていた。彼は知識欲に燃えたって読書に熱中した。書物を読み終わるごとに胆をつぶしたような心地に....
学生と読書」より 著者:倉田百三
ているかに見える。 われわれはインテリゼンスの階層である読書青年が今その旺盛な知識欲をもって、その知的胃腑を満たし、また思考力を操練せねばならないとき、知性の....
マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
ついては先生は一言も触れなかった。その不可解な絵が妙に未知の不思議の世界に対する知識欲を刺戟しそれがいつとなく植物学全体への興味を煽るのであった。もしもあの時に....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
小遣銭も貰えない状態では何事も思いとまるより外はない。すべてがそんな風で、少年の知識欲は常に抑えられていた。妙に偏屈な性癖がかれにこびりついている。その原因がど....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
熊吉氏と何の交渉を有していたのではないが、劇というものに対して少年時代のわたしの知識欲を満足させてくれたのは、かの鳥熊氏の賜物であることを感謝しなければならない....
加波山」より 著者:服部之総
彼らは凝視しているのであり、それをめぐってあらゆる「問題」がおどろくばかり旺盛な知識欲を刺激しつつこみあがってくるのが聞こえる。私は一隅に座って凝っとそれに聞き....
世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
になって、スラヴ領へ行って、厚皮の長靴を穿く。飛んでもない事だ。世界を一周する。知識欲が丸でなくて、紀行文を書くなんと云うことに興味を有せない身にとっては、余り....