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「知遇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

知遇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
中から、よく気に入られるようです。 去年死んだ前首相のT伯爵などにも、たいへん知遇(というと大げさですが)を得て、杉浦が行けば、気むずかしいT伯爵が、よく気軽....
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
ど、文壇の中心から離れている。がそれでも文壇の一部とはある種の関係がある。博士の知遇を得さえすれば、案外早く文壇に紹介されて、俺の天分をあくまで軽蔑している山野....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
って北越に転戦していたが、長岡城の攻囲戦で倒れた。幸田八五郎は、薩の大山格之助の知遇を得て薩軍に従うていたが、これは会津戦争で討死した。 久保三之丞は、明治元....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
むす子が交際っていることは、かの女によく知れていた。それ程むす子に与えられている知遇に親が報いてやるための奔走はもちろんのことながら、もし自分がむす子の母として....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
って男女の未知の友と交遊するいとぐちをも見つけた。当時|洛外に侘住居する岩倉公の知遇を得て朝に晩に岩倉家に出入りするという松尾多勢子から、その子の誠にあてた京都....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
臆病者と名乗って出た正直なところを買ったのだろう、正直者には勇士が多い。臆病者が知遇に感じて強くなったか、多分は以前から臆病者なぞでは無かったのだろう、権助は合....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
るような知己に合うとき、人は生命をも惜しからじと思うのである。先輩や長上や主君の知遇に合うことはこの人生行路におけるこの上ない感謝であって、世間にはこの感激に生....
稚子法師」より 著者:国枝史郎
子であったので、妻子家臣の悲嘆は殆ど言語に絶したもので、征矢野孫兵衛、村上右門、知遇を受けた此両人などは、当時の国禁を窃に破って追腹を切った程である。 で、私....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
ことになるのだが、此とても、ありそうな事が、狭い紳士たちの世間に現れて来た為に、知遇の縁らしいものを感じさせたに過ぎぬ。が、大倉一族の人々が、此ほど不思議がった....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
のにして、畢生の利益これより大なるはなし。而してその利益はすなわち木村|軍艦奉行知遇の賜にして、終に忘るべからざるところのものなり。芥舟先生は少小より文思に富み....
泉鏡花先生のこと」より 著者:小村雪岱
しては、色の白い、小さな、綺麗な方だということでした。爾来今日に至るまで、先生の知遇をかたじけなくする動機となったわけです。 鏡花先生は、その私生活においては....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
、三回の面識者をさえ百年の友であるかのように遇するから大抵なものはコロリと参って知遇を得たかのように感激する。政治家や実業家には得てこういう人を外らさない共通の....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
白眼冷笑していた。殊に古川は留学前は大隈侯の書生であって、義弟西源四郎は伊藤公の知遇を受けて終に公の※馬となった浅からぬ縁故があったから、もし些かでも野心があっ....
希望」より 著者:小川未明
なのだから。」 彼は、ロマンチックな恋を想像しました。また、あるときは、思わぬ知遇を得て、栄達する自分の姿を目に描きました。そして、毎日このがけの上の、黄昏の....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
来たように嬉しく思われたというので、それで彼らのことを宝来と云った。彼らも聖人の知遇に感じて、聖人の御葬式には荼毘の役をつとめ、爾来代々の法主の葬儀に参列する例....