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「短さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

短さの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ってくれればなお嬉しい」 二人はこんならちもなき事いうて悦んでいた。秋の日足の短さ、日はようやく傾きそめる。さアとの掛声で棉もぎにかかる。午後の分は僅であった....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
に、 何になるかよ、悲しんだとてつとめたとて! 27 まかせぬものは昼と命の短さ、 まかせぬものに心よせるな。 われも君も、人の掌の中の蝋に似て、 思いのま....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
への強烈なその羽搏き。これらのものが到る所で鉄の手に突き当たる。すなわち、人生の短さやその脆さや、制限された諸力や、冷淡な自然や、病気や失意や、当外れやに。――....
南国太平記」より 著者:直木三十五
みに、上半身を躱していたが、七瀬は、足許を乱して、百城の躱す巧みさと、自分の刀の短さとに、苛立ちながら、身体を浮かして、次の刀を、手いっぱいに――腰までも延し切....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
グンはしょられて行って、九ツ、八ツ、とうとう暮六ツが鳴ったのに、室の内外は日脚の短さ加減のほかの何者も来《きた》りおかすものはない。 とうとう日が暮れたけれど....
泣虫小僧」より 著者:林芙美子
ヤ王物語、リヤ王はもう八十の坂を越えた生れつき烈しい気性の上に、年とともに老の気短さが加わってちょっとした事にも怒り易くなっていた。それに近来はめっきり元気が衰....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
から、われわれはその頃の日が長いなんて言えないのだ。しかし、どういうものか、その短さも、そのたっぷりした幅の広い感じで補われるのである。そしてひいやりとした夜に....
豚吉とヒョロ子」より 著者:三鳥山人
は長過ぎる 生れない前死んだらあとは 何千何万何億年が ハッと云う間もない短さを 生きている間に比べると 人の生命《いのち》の何十年は 長くて長くて....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
みがきのコップをとろうとしたの、半分眠ったようなうっとりで。そしたら、自分の腕の短さ、その円さをすっかり忘れていたので、下の金具にチリッとして、本当にチリッと云....
源氏物語」より 著者:紫式部
さわしくないことだからね。またそれ以下の人たちのことは、忍耐力の強さ、月日の長さ短さによって、それ相応に好意的な返事をするのだね」 と源氏が言っている間、顔を....
初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
上げた。 さてその夜は明日を楽しみにおのおの臥床にはいッたが、夏の始めとて夜の短さ、間もなく東が白んで夜が明けた。 その日の四ツごろようように仕度が出来て、....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
くなくも、木曾義仲入洛ぐらいはと思っていた。まだこれしか書けなかったかと、月日の短さよりも、遅々たる筆に、長の旅路を脚に感じる。 武蔵のばあいでも、太閤記のば....