短兵急[語句情報] » 短兵急

「短兵急〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

短兵急の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
めのほほえみをそのままに、 「えゝ、少しはよくなりましてよ」 といった。古藤は短兵急《たんぺいきゅう》に、 「それにしてもなかなか元気ですね」 とたたみかけ....
或る女」より 著者:有島武郎
笑ったりした。 「忙しいにかまけて、あれはあのままにしておったが……一つはあまり短兵急にこっちから出しゃばると足もとを見やがるで、……あれはなんとかせんとめんど....
」より 著者:夏目漱石
った通りを残らず話して聞かせて、 「叔母さんが御前に詳しい説明をしなかったのは、短兵急な御前の性質を知ってるせいか、それともまだ小供だと思ってわざと略してしまっ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
巴里のレペル先生の許から顔形を持って来た相ですが其の顔形を何うしました」 随分短兵急の言葉ではあるが、権田は物に動ぜぬ日頃の持ち前に似ず、殆ど椅子から飛び離れ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
で分別も糸瓜もあるかい。こんな馬鹿は、助けて返すと、婦を連れて駈落をしかねない。短兵急に首を圧えて叩っ斬ってしまうのだ。 早瀬。」 と苛々した音調で、 「是....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
非なく、陶から二日遅れて、厳島へ渡った。信長は桶狭間という狭隘の土地で今川義元を短兵急に襲って、首級をあげたが、併しそのやり方はいくらか、やまかんで僥倖だ。それ....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
した僕も及ばぬ程の手柄だ、吾々の拠る所は是から唯あの犬ばかり、夫にしても君の様に短兵急に問詰ては敵が直様疑うから事が破れる、今夜にも倉子があの犬を殺して仕舞うか....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
しまッて、わたくしは始終しかり通しで、悪まれ役はわたくし一人ですわ」 「まあそう短兵急に攻めンでもええじゃないか。どうかお手柔らかに――先生はまずそこにおかけく....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、ぜひ、こちらへいらっしゃいね。ね、約束しましょう、げんまん」 「どうも、そう短兵急にせめ立てられちゃあ、道庵、旗を巻く隙もねえ」 三十六....
魔都」より 著者:久生十蘭
眼を瞋らし、 「何を、この女郎」 と膝を立てかけるのを松沢は押しとめ、 「そう短兵急にやっても仕様がない。ひとつ、あっしにやらして見ておくんなさい」 花の方....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ろもなくなって来ました。 そこで、岡倉氏は明日からでも学校へ出てもらいたいと、短兵急なことで、私もとにかく、お受けを致したわけであった。 それから、酒が出た....
小説 円朝」より 著者:正岡容
をたよりに、次から次へと描き上げていった。 次から次といっても、もちろん、そう短兵急《たんぺいきゅう》にはゆかない。これもやっぱり乾きを待って(雨でもつづくと....
四十年前」より 著者:内田魯庵
い果樹園を造ろうとしたようなもので、その策は必ずしも無謀浅慮ではなかったが、ただ短兵急に功を急いで一時に根こそぎ老木を伐採したために不測の洪水を汎濫し、八方から....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
その菊子さんと島村さんとのお仲人になって下さらないでしょうか? 」 賀川市長は短兵急に攻め込まれて大いに弱ってしまった。 「恵比須屋さん、安治川君は駄目ですぜ....
それから」より 著者:夏目漱石
つか》ないとは思った。今まで嫂にちびちび、無心を吹き掛けた事は何度もあるが、こう短兵急に痛め付けるのは始めてである。然《しか》し梅子は自分の自由になる資産をいく....