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短冊形
「短冊形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
短冊形の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
殿にございました、大きな時計を御記憶でいらっしゃいましょう。あの下にさがっている
短冊形の振子を、先刻《さっき》十一時十分の所で停めておいたのです。そして、紙帳に....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
を受取った。 「細かい字で書けるだけ一面に書いて下さい。後《あと》から六字ずつを
短冊形《たんざくがた》に剪《き》って棺《かん》の中へ散らしにして入れるんですから....
「明暗」より 著者:夏目漱石
上げましょうか」と云いながら、小楊枝入《こようじいれ》を取り扱うような手つきで、
短冊形《たんざくがた》の薄い象牙札を振り出しては、箱の大きさと釣り合うようにでき....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
表に県道を前にした屋敷構えである。南の裏庭広く、物置きや板倉が縦に母屋に続いて、
短冊形に長めな地なりだ。裏の行きとまりに低い珊瑚樹の生垣、中ほどに形ばかりの枝折....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
も二人の意表外に出た。「ところで、これは一つの錯視現象なんだが、例えば一枚の紙に
短冊形の縦孔を開けて、その背後で円く切った紙を動かして見給え。その円が激しく動く....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
というものを貼り付けて、あとで先生に聞いたり字引きで調べたりするときの栞とした。
短冊形に切った朱|唐紙の小片の一端から前歯で約数平方ミリメートルぐらいの面積の細....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
か、村の雑木山が大分|拓かれて麦畑になった。道側の並木の櫟楢なぞ伐られ掘られて、
短冊形の荒畑が続々出来る。武蔵野の特色なる雑木山を無惨※拓かるゝのは、儂にとって....
「野道」より 著者:幸田露伴
皆は挨拶した。 鼠股引氏は早速にその球を受取って、懐紙で土を拭って、取出した小
短冊形の杉板の焼味噌にそれを突掛けて喫べて、余りの半盃を嚥んだ。土耳古帽氏も同じ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
残ったぶんだけを送るという文意……」 「なんとありました」 「……開いて見ると、
短冊形の紙の後が切れ、『五』という一字だけが残っている。……お沢がわしに書き越す....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
二三冊置かれてありましたので、何気なくそれを手に取って開いて見ますと、中に、紅い
短冊形の紙がはさまれ、それに、『古書売買、古泉堂』と書かれてありました。それが、....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
お定まりの緋縮緬、緋鹿子というんだと引立つんですけれどもね、半襟の引きはぎなんぞ
短冊形に、枕屏風の張交ぜじゃあお座がさめるわね。」 と擦るように袖を撫でた。そ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
く吊られてある。 五、六枚畳んで重ねられた蒲団の上には、角材をそのまま切って、
短冊形の汚れた小蒲団を括りつけた枕が置かれてある。その後の柱には、この家不相応な....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
じん》はどういう料理です」妻君「それは人参の酢煎《すに》で、人参を極《ご》く薄く
短冊形《たんざくがた》に截《き》って酢と味淋《みりん》と砂糖と塩でよく煮たのです....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
を点したのを各町から出し、それにこの土地ではネブタの木という合歓木かまたは竹へ、
短冊形の色紙と燈籠とを付けたのを持った青年が多く付添うて、旭川の川原まで持出し、....