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短時日
「短時日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
短時日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
いか。たった一年前、記者があらゆる讃辞を以て報道した震災直後の東京の人心は、かく
短時日の間に、かくも浅ましく堕落し果て得るものであろうか。願わくは記者の観察が誤....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
、なかなか眠りに入れそうもない。 規矩男の手紙には、かの女と逢わなくなったこの
短時日の間に経た苦難の後の気持から出た響きがあった。 ……(前略)あなたが、あ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
はなおさら、どんな親しい友人間としても全部の武装を解除しては逢って居まい。たとえ
短時日でも隣人として朝夕の不用意のうちにその人の多方面を見ることは、主客、友人と....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
てきて、世界各国で禁止されている、最も有毒な黄燐を使うため、健康な肉体も、極めて
短時日の間に、毒素に侵されてしまった。 工人の出入は、はげしかった。一人が這入....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
がけて飛び出して行ったもので、翅の自由が利くかどうかもわからなかった。葉子はあの
短時日の単純で朗らかな恋愛の思い出を、今はこれまで経て来た数々の恋愛のなかでは、....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
の故老にでもきくより他なかつたけれども、ほぼ僕のいつたことが判つて来たんだ。あの
短時日の間にあれだけ調べることはどうして容易なものではなかつた。しかし林田がどう....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
うにして、人生へ何かの希望をもって続々と職業に入って来た婦人たちが、その後のごく
短時日の経験で、彼女達のとり得る報酬で現実に十分の独立生活は保ち難いこと、さりと....
「源氏物語」より 著者:紫式部
しきよあそん》などが家職の下役しかせぬことにも奔走するのも哀れであった。きわめて
短時日のうちにその家もおもしろい上品な山荘になった。水の流れを深くさせたり、木を....
「源氏物語」より 著者:紫式部
あるが、それを機会に御所から自邸へ尚侍を退出させようと考えるようになってからは、
短時日の間だけを宮廷へ出ることを許すようになった。こんなふうに婿として通って来る....
「源氏物語」より 著者:紫式部
こともあるであろうとこんなふうに思われることが多い哀れな衛門督であった。なぜこう
短時日の間に自分をめちゃめちゃにしてしまったのであろうと煩悶して、苦しい涙を流し....
「日月様」より 著者:坂口安吾
り、たった一つの区で、二三万戸の家を叩きつぶすことになった。これが一週間ぐらいの
短時日に終了するという命令である。空襲とオツカツぐらいに上を下への大騒ぎだ。町の....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
、エジプト、その他の諸国の最も破壊的な飢饉の痕跡も、あらゆる記録によれば、極めて
短時日にして消滅し、また噴火や地震の如き最も恐るべき天災も、それが住民を駆逐しま....
「和算の社会的・芸術的特性について」より 著者:三上義夫
纂し、一世を風靡するという有り様となった。その努力の跡は、長沢亀之助等が驚くべき
短時日の間に一、二の原書から手軽に作りだすごとき比ではなかった。しかも堂々たる大....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
たしかに変りますが、それほどひどく変るものではないと私は思っているのです。人間が
短時日のうちに非常に変ってしまうという事はめったに無い事で、往々にして非常に、ま....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ちろん、さしあたってのところはあまりに心配しすぎる理由はなかった。銀行では比較的
短時日に現在の高い地位に登り、すべての人に認められてこの地位を守ることもできたの....