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「短調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

短調の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
のはすべて貴女《あなた》の感情でできた」と告げている{6}。またショパンは「ヘ」短調司伴楽の第二楽章の美しいラルジェットがコンスタンチア・グラコウスカに対する自....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が歿られてから間もなくのことで、去年の五月の初めでしたが、その夜は、ハイドンのト短調|四重奏曲の練習を、礼拝堂でやることになりました。ところが、曲が進行している....
みごとな女」より 著者:森本薫
んだろう。巧いのなら他所で聴けるよ。 あさ子 自分がさきに弾けばいいでしょう。ホ短調が楽譜なしで弾けるんだから。 収 僕の後では尚更弾けなくなるよ。さあ愚図々々....
美しい村」より 著者:堀辰雄
ている別荘の庭へ這入りこんで、しばらくそれに耳を傾《かたむ》けていた。バッハのト短調の遁走曲《フウグ》らしかった。あの一つの旋律《メロディ》が繰《く》り返され繰....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
きながらの地獄であったそうな。 気がついた時、私の耳にラジオがきこえた。 「ヘ短調ね」 私は口の中で呟いたようだったけれど、声には出なかった。脚も手も動かそ....
ラジオ雑感」より 著者:寺田寅彦
多いであろうと思われる。 ここまで書いた時に宅のラジオが鳴り出して、バッハのト短調、チェンバロ・コンチェルトというのを聞かせてくれた。いつ聞いても心持の悪くな....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の腕前を揮《ふる》い、広く世に知られてる作品を形《かた》なしにしようとつとめ、ハ短調交響曲の箍《たが》の飛びぬけをやってるのだった。クリストフは彼らを、めかし婆....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
いた。陰鬱《いんうつ》な思想中にもみやびな饒舌《じょうぜつ》を見出していた。嬰ハ短調の四重奏曲も、彼にはちょっと小気味よいものだと思えた。第九交響曲の崇厳なアダ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
選んだ一徹な友の意志に服従して、しばらくぐずついたあとに、モーツァルトの美しいロ短調アダジオをひき始めた。初めのうちは、指が震えて鍵《キー》を打つ力もなかった。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
奥から、眼に見えない別邸の半ば開いてる窓から、ヨハン・セバスチアン・バッハの変ホ短調の遁走《とんそう》曲を奏してるハーモニュームの響きが聞こえてきた。二人は蒼《....
音楽界の迷信」より 著者:兼常清佐
評家や先生の耳には聞かれなかったか、たとえばショパンの有名な『プレリュード』のh短調や Db 長調では同じ鍵盤がつづけさまに叩かれる。その時には、第二の音は第一....
久野女史をいたむ」より 著者:兼常清佐
ピアニスト」を夢見ていた。例えば一九二三年九月十七日にフリードマンがショパンのe短調のコンツェルトを弾いた時、女史は会場で、自分も此処でこの曲を弾きたい! と言....
二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
とがある。 *219 今日、僕が聴きたいのは、ショパンの嬰《えい》ハ短調のワルツ、――あの爽《さわ》やかな失恋の調べだ。 *220 失恋....