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短躯
「短躯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
短躯の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
いるのである。たしかに、そのときにはそう思われた。蒼白痩削《そうはくそうさく》。
短躯猪首《たんくいくび》。台詞《せりふ》がかった鼻音声。 酒が相当にまわって来....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
最も激《はげ》しい難路を辿《たど》らねばならず、且《か》つ、長身に伍《ご》して、
短躯《たんく》のクルウを連ね、天候さえ冷え勝ちで、天の利、地の利、人の利、すべて....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、すぐプロフェッサー自身で出迎えて、そうして所内を案内してくれた。西洋人にしては
短躯で童顔鶴髪、しかし肉つき豊かで、温乎として親しむべき好紳士であると思われた。....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
攣筋なり」と云うから、小男で少しびっこと云うわけであるから、その烈々たる気魄が、
短躯に溢れて、人を威圧した有様が想像される。 永禄四年川中島合戦には、謙信は上....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
して追われたりした、真に死生の間を潜り抜けた勇烈の士だった。 彼はずんぐりした
短躯で、見るから頑丈そうな、士官の制服が窮屈そうに見える人だった。 「やあ、初め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を一通り廻ってしまいました。 今度は縁の下へ潜《もぐ》ってみようと思いました。
短躯《たんく》にして俊敏な米友は、縁の下を潜るのにことに適当しております。 米....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
いた。紋服白足袋姿の「湯島詣」の作者が先輩総代として、硯友社調の弔詞を朗読した。
短躯の久地浩が友人総代の弔詞をよみはじめたが、彼は、せき上げる涙に耐えず、友よ!....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
を博多旧魚市場に訪問して「博多ッ子の本領」なる話題について質問した時の事である。
短躯肥満、童顔豊頬にして眉間に小豆大の疣を印したミナト屋の大将は快然として鉢巻を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、本来この男の人の身の丈が、普通人よりはずっと低くして小さかったのです。すなわち
短躯矮小《たんくわいしょう》の人物でありました。
田山白雲は、曾《かつ》て何か....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たが、その背後から例の野生的な声を張り上げて、捜査局長の熊城卓吉が、その脂切った
短躯をノッシノッシ乗り出して来た。 「いいかね法水君、これが発見当時その儘の状況....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
えている、長身偉躯にして白髪白髯慈眼人を射るブース大将の飾らざる雄弁を引き受けて
短躯小身なる山室軍平氏が息をもつかせずに火花を散らした通訳振りは言語に絶したる美....
「九代目団十郎の首」より 著者:高村光太郎
衛門よりも小さい。五代目菊五郎と並んだ写真では菊五郎の方がわずかに背が高い。その
短躯が舞台をはみ出す程大きいのである。彼は肥っても居ず痩せても居なかった。彼の大....
「ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
地に行き、異教徒を討払い、キリストの墳墓を清むべし」と絶叫した。この僧の風采は、
短躯矮小みるかげもないものであり、身には襤褸をまとい腰には縄の帯をしめ、醜穢をき....