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「短針〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

短針の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
明るく、心も自ずからあらたまる。家族一同手を膝に、息をのんで控えた。 柱時計の短針が八時を指すか指さぬに、 ドオ………ン! 待ち設けても今更人の心魂を駭か....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
を入れて螺旋をかけるのか解らないが、旧式な唐草模様の付いた、物々しい恰好の長針と短針が、六時四分を指し示しつつ、カックカックと巨大な真鍮の振子球を揺り動かしてい....
継子」より 著者:夢野久作
思いきってその時計の横のスイッチを捻って、白い文字板の二時十分を指している長針と短針をチラリと見ると直ぐにまた、消してしまった。するとその時に二階の階段の上から....
私の覚え書」より 著者:宮本百合子
ら、きっちり十二時三分過ぎを示している。真白い面に鮮やかな黒字で書かれた数字や、短針長針が、狭い角度で互に開いていた形が、奇妙にはっきり印象に遺った。驚いて、一....
一九二三年夏」より 著者:宮本百合子
不安。 その心持は短篇にまとまる。 ○時計で南北を知るには、直射光線にうつる短針のかげをかさね、十二時とそれとの中央を南とし、正反対を北。 ○列車の速力は....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いたのだ。所で、君の偽造不在証明を分解しよう。まず柳江の書斎にある柱時計の長針と短針とに、安全剃刀の刃を一定の位置に貼り付けて置いたのだ。それから、時計の右手に....
千世子」より 著者:宮本百合子
音をたてて世の中の「時」のたつのをおどす様に人間共にしらせて居るのが役目の長針と短針とは短針は四時のところを長針はまんなかをずっーと越して居た。 「もう一寸立....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
カチ、カチ、カチ、……カチ、カチ、カチ! ――セコンドを刻む音である。 長針と短針とが矢のように、白い平盤の表面に、矩形をなして突き出ている。その周囲を真円に....
月世界競争探検」より 著者:押川春浪
るのを待ち構えている。 観衆はいずれも息を潜めて瞻視ている。 やがて時計の長短針が一つになって十二時を指すと、音楽堂の上から一発の砲声が轟いた。と思うと大鷲....
扉は語らず」より 著者:小舟勝二
みつめる彼の眼前に、彼の犯した勤務上の失態が大写された―― 仕入部の柱時計が長短針を直線につなぐ。午後六時の執務終了の第一|電鈴が百貨店全体にジリリーッ! と....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
るらしく、ふるえる声で言った。ヘンフリイはまっさおになった。男は、かさねて、 「短針をじくにはめれば、すむんじゃないか。さっきから見ていると、やらないでもいいこ....