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「石ころ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

石ころの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
も、恐れる気色《けしき》は見えなかった。刑場はちょうど墓原《はかはら》に隣った、石ころの多い空き地である。彼等はそこへ到着すると、一々罪状を読み聞かされた後《の....
河童」より 著者:芥川竜之介
倒れる、プログラムは飛ぶ、おまけにだれが投げるのか、サイダアの空罎《あきびん》や石ころやかじりかけの胡瓜《きゅうり》さえ降ってくるのです。僕は呆《あ》っ気《け》....
」より 著者:芥川竜之介
。しかし白は引き返すどころか、足を止めるけしきもありません。ぬかるみを飛び越え、石ころを蹴散《けち》らし、往来どめの縄《なわ》を擦《す》り抜け、五味《ごみ》ため....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
に置いてあって、たれがしたいたずらか、その中に五つ六《む》つ、泥《どろ》だらけの石ころが行儀よく積んである。しかも、そのまん中に、花も葉もひからびた、合歓《ねむ....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
つめる。 30 斜めに上から見おろした山みち。山みちには月の光の中に石ころが一つ転がっている。石ころは次第に石斧《せきふ》に変り、それから又短剣に変....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ざかって行く。海岸にひとかたまりになって船を見送る女たちの群れはもう命のない黒い石ころのようにしか見えない。漁夫たちは艪をこぎながら、帆綱を整えながら、浸水をく....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
獲得と同じように永く私の衷にあって消え去ることがない。愛はそれによって、不消化な石ころを受け入れた胃腑のような思いをさせられる。私の愛の本能が正しく働いている限....
親子」より 著者:有島武郎
れた場内の公道だったけれども畦道をやや広くしたくらいのもので、畑から抛り出された石ころの間なぞに、酸漿の実が赤くなってぶら下がったり、轍にかけられた蕗の葉がどす....
星座」より 著者:有島武郎
西山はもう実際うるさくなった。自分の生活とは何んの関係もない一つの空想的な生活が石ころのようにそこに転がっているように思った。 「寒いか」 戸外の方を頤《あご....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
う事を、百姓から聞かされていました。 でいよいよ出かけました。 やがて二人は石ころや木株のある険しい坂道にかかりましたので、おかあさんは子どもを抱きましたが....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。それを受けとったときには、たくさんできれいな金にみえるが、あかるい所でみると、石ころか枯ッ葉になってしまう。やれ、やれ。」 書記は、さもつまらなそうにため息....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
囁き合って、ちょうどそこが三岐の、一方は裏山へ上る山岨の落葉の径。一方は崖を下る石ころ坂の急なやつ。で、その下りる方へ半町ばかりまた足探り試みたのであるが、がけ....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
だろう。馬二頭が、鼻あらしを霜夜にふつふつと吹いて曳く囃子屋台を真中に、磽※たる石ころ路を、坂なりに、大師|道のいろはの辻のあたりから、次第さがりに人なだれを打....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
っと石段の下で、うむ、とこたえて踏留まりますと、はずみのついた車めは、がたがたと石ころの上を空廻りして、躍ったげにござります。 見上げる空の森は暗し、爺どのは....
古狢」より 著者:泉鏡花
入口に萩の枝折戸、屋根なしに網代の扉がついている。また松の樹を五株、六株。すぐに石ころ道が白く続いて、飛地のような町屋の石を置いた板屋根が、山裾に沈んで見えると....