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石像
「石像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石像の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
子は忘却《ぼうきゃく》の廃址《はいし》の中から、生々《なまなま》とした少年の大理
石像を掘りあてた人のようにおもしろがった。
「わたしが愛子の年ごろだったらこの人....
「生きている腸」より 著者:海野十三
生ける腸《はらわた》になってしまうのではないかとおもわれるふうに、ガラス管の前に
石像のように固くなったままいつまでも生ける腸《はらわた》から目を放そうとはしなか....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
野立所」と書いた神社跡が左にある。この奥の社殿は形もなし、こま狗だかお狐さんかの
石像が二つ、きょとんと立っている。 渋谷郵便局もすっかり焼けたままになっている....
「海底大陸」より 著者:海野十三
けても、ロロー殿下を捕らえたいという気持で一ぱいだった。 ロロー殿下は、まるで
石像のようにじっと博士のうしろに立っていた。そしてこの場のありさまに、殿下はいよ....
「春昼」より 著者:泉鏡花
を行かれたので――この観音の御堂を離れて、」 「なるほど、その何んとも知れない、
石像の処へ、」 と胸を伏せて顔を見る。 「いやいや、其処までではありません。唯....
「海底都市」より 著者:海野十三
海の中をかけぬけた。もはや海底のはてまでも来たのではないかと思われる頃、それまで
石像《せきぞう》のようだった博士は、やっとからだを動かしはじめた。 「あああ、お....
「火星兵団」より 著者:海野十三
て、千二少年を出してやった掛りの責任者は、すっかりおそれ入ってしまって、これまた
石像のように固くなって、突立っているばかり。
「だが、あの少年は、なかなかはしっ....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
|潜水艦の艦長|清川大尉です。 司令塔に並び合った二つの影は、それきり黙って、
石像のように動こうともしません。今夜もまた、第十三潜水戦隊は大波の中を、もまれな....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ら光りながら、風に流れてゆく。 艦長以下、この発火信号がもたらす効果いかにと、
石像のように艦橋に突立っている。 「聴音班報告。柳下機は近づきました」 「うむ」....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、で、私は崖縁をひょいと横へ切れて、のしこと地蔵様の背後に蹲み込んで覗いたんで。
石像のお袈裟の前へは、真白に吹掛けましたが、うしろは苔のお法衣のまま真黒で、お顔....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いものをみせられて、みんなもがたがたふるえだしました。そのなかで、王女はひとり、
石像のようにじいんとすわり込んだなり、ひとこともものがいえませんでした。それでも....
「故郷」より 著者:井上紅梅
です」 彼はひたすら頭を振った。見ると顔の上にはたくさんの皺が刻まれているが、
石像のようにまるきり動かない。たぶん苦しみを感ずるだけで表現することが出来ないの....
「妖怪学」より 著者:井上円了
いてこれを試みたることあるに、呪文を用うるとその結果同一なるを見たり。また、狐の
石像を用いたるときも同結果を得たり。これによりてこれをみるに、呪文そのものの力に....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
のときは無数のろうそくをその前にともす。壁上には種々彩色せる画像あれども、木像、
石像等なし。なんとなれば、ギリシア宗は彫刻に属する偶像を、寺内に安置することを禁....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
非ず。釣道の極意を得ざりしを惜むなり。と、兎さま角さまに、苦悶し、懊悩し、少時は
石像木仏の如し。船頭、余り気を落せるを見て、 『旦那|如何です。此の潮の好い処を....