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石持
「石持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石持の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って、そこに横たえてある男の死骸をのぞいた。男は手織り縞の綿衣をきて、鉄色木綿の
石持の羽織をかさねていた。履物はどうしてしまったのか、彼は跣足であった。半七は丁....
「富貴発跡司志」より 著者:田中貢太郎
仁は何を言うだろうと思って案の下へ身を屈めて聞いていた。 「―県の―は、米を二千
石持っておったが、この頃の旱魃と虫害で、米価があがり、隣境から糴がこなくなって、....
「足迹」より 著者:徳田秋声
叔父と碁を打ちはじめた。叔父は一勝負やっと済ますと、碁盤を押しやって顔を顰めた。
石持っている間も時々|顫えていた。 「おかしいな。」と、医師は繁三に糺の聴診器を....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
……アア……モシモシ……狭山さんですか。初めてで失礼ですが……私が当行の支配人|
石持です。どうも飛んだ御手数で……先程の二十円札はたしかに当行から岩形さんの代理....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
透かすようにすると、ものの静かさ、松の香が芬とする。 六 鼠色の
石持、黒い袴を穿いた宮奴が、百日紅の下に影のごとく踞まって、びしゃッびしゃッと、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きません。 甲州一番の百姓は米村《よねむら》八右衛門というので、それが四千五百
石持ちということであります。和泉作《いずみさく》というのは東郡内で千石の田畑を持....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
た事だという。 物売りではないが、紅勘というのはかなり有名なものだった。浅黄の
石持で柿色の袖なしに裁布をはいて、腰に七輪のアミを提げて、それを叩いたり三味線を....
「幽霊の衣裳」より 著者:田中貢太郎
けるのを待ちかねて、菊五郎の許へ駆けつけた。菊五郎はそこで小平の衣裳を浅黄木綿|
石持の着附にして、其の演戯に出たので好評を博した。 蔦芳の見た幽霊は、蔦芳が後....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
りにでも逢ったとか何とか云って極りが付いてから、丹三さんをよこして下されば、三百
石持の主人、それに未だ些とは貯えもございます」 丹「跡方の知れるような事が有って....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
キリしていた。衣物は黄八丈の襟付で、帯は黒襦子に紫|縮緬の絞りの腹合せ。今までの
石持染小袖の田舎づくりと違って、ズッと江戸向きのこしらえであった。 色紙縮緬を....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
年か過ごした。久能山に近い中島の海岸で、太平洋に注ぐ安倍川の白い波を眺めながら、
石持の投げ釣りに興じたこともあった。静岡のお城の周りのお堀で、はやと鮒を釣ったこ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
。」 もってのほか、穏和な声した親仁は、笹葉にかくれて、崖へ半ば踞んだが、黒の
石持の羽織に、びらしゃら袴で、つり革の頑丈に太い、提革鞄を斜にかけて、柄のない錆....