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石柱
「石柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「出世」より 著者:菊池寛
図書館の白い建物の前に来た。左手に婦人閲覧室のできているのが目新しいだけで、門の
石柱も玄関の様子も、閲覧券売場の様子も少しも変っていなかった。彼は閲覧券売場の窓....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
密林の感じである。材木|繋留の太い古杭が朽ちてはうち代えられたものが五六本太古の
石柱のように朦朧と見える。 その柱の一本に掴って青白い生ものが水を掻いている。....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
る。ちょうどそこは、大きな寺院の入口みたいな荘重な大玄関であった。左右に何本かの
石柱が並び、石段がその間をぬって上へのぼっている。奥はくらくてわからないが、重い....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
斬台が、石も鉄も錆もそのままに残っているのだ。黒ずんだ円い囲いに苔が枯れ、中央の
石柱には死刑囚をつないだ鎖がいまだに垂れさがって、段に立って振り返ると、ちょうど....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
フティの公開寄附した森林公園で、ほうぼうにオスロ青年団の建てたへフティを記念する
石柱がある。白樺、落葉松の木。桔梗、あざみ、しだの類。滝、小湖、清水のながれ、岩....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
な水道の橋を築いて渡したもので、この、可愛らしい人智幼年時代のあとが、連々たる大
石柱の遺蹟として車窓に天を摩している。すると葡萄牙だ。何という真正直なろうま人の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
タキシの左右に後退していた。 到るところに、噴水と憲兵が立っていた。彫刻と、大
石柱の並立とがあった。史的色調と、民族の新しい厳則とが、どこの露路からも、二階の....
「静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
説を想い出させられた。高松という処の村はずれにある或る神社で、社前の鳥居の一本の
石柱は他所のと同じく東の方へ倒れているのに他の一本は全く別の向きに倒れているので....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
た、莫迦莫迦しくひがみ易くもある。だが結局|人夫は人夫の稼業から預けられた土塊や
石柱を抱え、それが彼等の眼の中に一ぱいつまっているのだ。その眼がたまたまぬすみ視....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
いた。 別荘は諏訪の森の近くであった。 表向きは、天然のひろやかな庭に二つの
石柱が建っているばかりのように思えるのに、小径を辿って行くに従って、両側の白樺並....
「地上」より 著者:島田清次郎
微風にそよいでいた。右手の新しい赤煉瓦の会堂の、青空に聳える渋紅い尖塔、大理石の
石柱の重厚さと雄渾さ、窓の色硝子に映る日光のゆらぎの美しさ。緩やかな坂路が門から....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
が、謂う所のセイサアゲエトで、花崗石の巨大な門柱が中心になって、その外に稍小さい
石柱が二本ずつ並んで副門を作っている。柱上には青銅のブリッジが渡されて、セイサア....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
揺らめいて居た。今は秋なので紅白、黄紫のダリヤが星のように咲き静まって居る。低い
石柱に鉄の鎖を張った外廓に添って其の花園のはずれまで歩くと市街建築の取り付きであ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
やあらん。南画も描いて、ここまでには到らずと、またも一杯を山霊に捧ぐ。その楼閣の
石柱続きて、尽くる所を知らず。余は見物しつつ行き、二人の人夫は魚を釣りつつ行く。....
「春の大方山」より 著者:木暮理太郎
と左手の畑の間に祐経の墓というのがある、丁度物見塚の北麓に当っている。三尺|毎に
石柱を建て、方三間の囲の中央に、四尺五寸許の高さに丸く土を盛り上げたもので、墓石....