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石榴
「石榴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石榴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古典風」より 著者:太宰治
とヒッポの子です。 その、ヒッポの子、ネロが三歳の春を迎えて、ブラゼンバートは
石榴《ざくろ》を種子ごと食って、激烈の腹痛に襲われ、呻吟転輾《しんぎんてんてん》....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
をつけていなかったらとしたら、彼等はこの激しい衝撃によって、頭部を壁にぶっつけて
石榴《ざくろ》のように割られ、肋骨も四肢の骨もぽきぽき折られてしまったことであろ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
てこの二階にいたと云うことを、十幾年の後に知った。 その頃の湯風呂には、旧式の
石榴口と云うものがあって、夜などは湯煙が濛々として内は真っ暗。しかもその風呂が高....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
るような土地柄は、多吉の性に適すると言っているところだ。 江戸の名ごりのような
石榴口の残った湯屋はこの町からほど遠くないところにある。朱塗りの漆戸、箔絵を描い....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
しょうか」 「診察ですって、まあ。そんなことをしてももう駄目ですわ。あの人の頭は
石榴のように割れているんですもの」 「
石榴というと」 「滅茶滅茶になって、真赤な....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
見ることも出来ましょう。聞くことの出来ない美しい、音楽を聞くことも出来ましょう。
石榴石から花が咲いて、その花の芯は茴香色で、そうして花弁は瑪瑙色で、でもその茎は....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
た。「万端うまく行けばよいが」心にかかるようすである。
卯木の花が咲いている。
石榴の花が咲いている。泉水に水|禽でもいるのであろう、ハタ、ハタ、ハタと羽音がす....
「回想録」より 著者:高村光太郎
第二回の大調和展に出した「鷽」は野口米次郎さんの親類の人が買った。又後に出した「
石榴」は京都の方の好事家が持っている訳だが、此などは後で一寸借りたいと思って面倒....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
とですね」とだけ申しました。相槌を打たぬのがお気に召さないのでした。 その外に
石榴の鉢植がありました。
石榴は直水を嫌うからと、鉢が大きな水盤に入れてありました....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
近づくなり、爺さんの想像は恐ろしく外れました。言うも無惨ながら、その男の後頭部は
石榴のように割られていたのであります。 爺さんはいきなり箒を捨てて、転ぶように....
「暴風雨の夜」より 著者:小酒井不木
過ぎた頃には、顔から身体中に種々の吹出ものが出ます。脣の色は蒼白くなって、口中は
石榴のようにただれます。それのみならず、ことに女にとって一ばん恐しいことは、髪の....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
お洲美さんは、※っていた目を閉じました。そして、うなずくように俯向いた耳許が
石榴の花のように見えた。 「私は巡礼…… もうこの間から、とりあえず仙台までで....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
居ります頃、女房と二人で、鬼子母神様へ参詣をするのに、ここを通ると、供えものの、
石榴を、私が包から転がして、女房が拾いまして、こぼれた実を懐紙につつみながら、身....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
てこの二階にいたということを、十幾年の後に知った。 その頃の湯風呂には、旧式の
石榴口というものがあって、夜などは湯烟が濛々として内は真暗。加之その風呂が高く出....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
色が濃くなって、暗いまでに繁り合いながら、折からの雨に重く垂れている。其中に独り
石榴の花が炎をあげて燃えている火のように赤い。それが動もすれば幽婉の天地と同化し....