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「石火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

石火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
べつ》しながら、太刀を両手にかまえたまま、兄の事や沙金《しゃきん》の事を、一度に石火《せっか》のごとく、思い浮かべた。兄を殺そうとした自分が、かえって犬に食われ....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
坊の子供と、忘却の眠に沈んでいても、新たに水平へ現れた、我々の黒船《くろふね》の石火矢《いしびや》の音は、必ず古めかしい君等の夢を破る時があるに違いない。それま....
去年」より 著者:伊藤左千夫
子だきれいな子だといわれてる。やっかいに思われるのも日一日と消えて行く。 電光石火……そういう間にも魔の神にのろわれておったものか、八女の出産届をした日に三ツ....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
まったく、呆れ果ててものが云えませんよ……しかし、それにしてもその青山さんの電光石火ぶりには、ほとほと感心しましたよ……なんでも青山さんは、最初菱沼さんから詳し....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
をグイと後に倒して、なおも嘆息を続けた。 「ああ、今度は火精か※ すると、拳銃か石火矢かい。それとも、古臭いスナイドル銃か四十二|磅砲でも向けようという寸法かね....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
ない。手にもった軍配|団扇で発止と受けとめたが、つづく二の太刀は信玄の腕を傷け、石火の如き三の太刀はその肩を傷けた。この時あわてて馳けつけた原大隅守虎義は傍にあ....
島原の乱」より 著者:菊池寛
しめた処が、丁度平戸沖に阿蘭陀船が碇泊しているのを知った。直ちに廻送せしめ、城へ石火矢を放たせた。阿蘭陀は当時新教でカソリック教とは新旧の違いこそあれ同じ宗教の....
恐竜島」より 著者:海野十三
、とつぜんその赤黒い島は、水面下にもぐってしまった。その早さったらなかった。電光石火《でんこうせっか》のごとしというたとえがあるが、まさにそれであった。 それ....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
中断した。それは緑色の怪物三名が、やにわに帆村に組みついたからである。それは電光石火の如くあまりにはやく、そばに立っていた山岸中尉が、帆村のためにふせぐひまもな....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
らない。 しかし家治の遺志なるものは、幸い実行することが出来た。家治の死後電光石火に、幕府の改革が行われ、田沼主殿頭は失脚し、大封を削られて一万石の、小大名の....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
とんど一網打尽の体で、一人残らず捕らえられたが、その捕らえ方の迅速なるは洵に電光石火ともいうべく真に目覚しいものであって、これを指揮した松平伊豆守は、諸人賞讃の....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
ている蜘蛛手のような堀割を利用し、帆船|端艇を繰り廻し、思う所へ横付けにし、電光石火に仕事を行り、再び船へ取って返すや行方をくらますということであった。 勿論....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ながら天晴れと褒めたくなるほどの、真に神妙な早業で、しかも充分のネバリをもって、石火の如くに行なわれては、ほとんど防ぐに術が無い」 「はあ」と浪之助は溜息をした....
」より 著者:カフカフランツ
長いあいだ吟味されていると、その吟味がまだ終ってしまってはいないのに、突然、電光石火の勢い、思いもかけなかったようなところ、またあとからではもう見出すことができ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
アイルランドの苦労話やらに耳を傾けた。――じっと傾けている耳には、内心深く、電光石火の暗算と、謀叛の有無の忖度と、片言隻句の暗示も聞き洩らすまいとする努力とが伴....