石瓦[語句情報] » 石瓦

「石瓦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

石瓦の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
《からたち》に薄緑の芽の吹いているのが見えるばかりである。 西隣に空地がある。石瓦の散らばっている間に、げんげや菫《すみれ》の花が咲いている。僕はげんげを摘み....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
来た。公主は夜の明けるまでそれを覚らなかった。 又ある時、彼は吉莫靴をはいて、石瓦の城に駈けあがった。城上の墻には手がかりがないので、かれは足をもって仏殿の柱....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ゃあいられねえぞ、俺《おい》らに続け、合点《がってん》か」 身を沈めて飛び来る石瓦をかわしながら、後ろを振返ってムクに合図をすると、竿の頭から五色の網を払いの....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
ないかと思うのです。なぜというのに、折角旧思想を取片付けてしまっても、その跡の、石瓦に覆われた地面の上には、新思想は芽ざして来ないかも知れませんから。新思想の生....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
あるところへ行きますと、必ず右廻りをして決して左からは行かない。 ちょっとした石瓦のような仏様の破片でもあると必ず右へ指して廻って行く。それは決して悪い事では....
痴人と死と」より 著者:ホーフマンスタールフーゴー・フォン
この心を動かさねばならぬのか。何故《なぜ》お前の弾《ひ》いた糸の音《ね》が丁度|石瓦《いしかわら》の中に埋《う》められていた花のように、意識の底に隠れている心の....
」より 著者:シュミットボンウィルヘルム
しとに、不思議に引寄せられているのである。文明の結果で飾られていても、積み上げた石瓦の間にところどころ枯れた木の枝があるばかりで、冷淡に無慈悲に見える町の狭い往....
三国志」より 著者:吉川英治
わないだろう。要するに、彼とは利を以て結ぶしかない。だが後には、あんな礼物はみな石瓦に過ぎんさ」 「なるほど」 張昭は急に顔を解いてうれしそうにうなずいた。呉....