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「石畳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

石畳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、嬉しそうにそこらを歩き廻った。それは以前飼っていた時、彼女の寝台《ねだい》から石畳の上へ、飛び出したのと同じ歩きぶりだった。 「おや、――」 座敷の暗いのを....
或る女」より 著者:有島武郎
抗を用意するように見えた。ポッケットに両手をさし入れて、頭を縮め気味に、波止場の石畳を歩き回る人々の姿にも、不安と焦躁とのうかがわれるせわしい自然の移り変わりの....
星座」より 著者:有島武郎
のであったが。 時計台のちょうど下にあたる処にしつらえられた玄関を出た。そこの石畳は一つ一つが踏みへらされて古い砥石《といし》のように彎曲《わんきょく》してい....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
一軒づもりポカリと抜けた、一町内の用心水《ようじんみず》の水溜《みずたまり》で、石畳みは強勢《ごうせい》でも、緑晶色《ろくしょういろ》の大溝《おおみぞ》になって....
クララの出家」より 著者:有島武郎
て彼らの方に二十二、三に見える一人の青年が夢遊病者のように足もともしどろとして、石畳から眼をはなして、自分を囲むいくつかの酒にほてった若い笑顔を苦々しげに見廻わ....
妖術」より 著者:泉鏡花
のが、いっそ風情であった。 カラカラと庭下駄が響く、とここよりは一段高い、上の石畳みの土間を、約束の出であろう、裾模様の後姿で、すらりとした芸者が通った。 ....
星あかり」より 著者:泉鏡花
はないので、極めて塩ッ辛いが、底は浅い、屈んでざぶざぶ、さるぼうで汲み得らるる。石畳で穿下した合目には、このあたりに産する何とかいう蟹、甲良が黄色で、足の赤い、....
河明り」より 著者:岡本かの子
で若い紳士は車を停め、土地の名所である回教の礼拝堂を見せた。がらんとして何もない石畳と絨氈の奥まった薄闇へ、高い窓から射し入る陽の光がステンドグラスの加減で、虹....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
いた。そして呀ッという間もなく、身体は巴投げをくったように丁度一廻転してドタンと石畳の上に抛りだされた。 大崩壊の起ったのは、実にその直後のことだった。大地を....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
気もなく、雨は勝手に降って音も寂寞としたその中を、一思いに仁王門も抜けて、御堂の石畳を右へついて廻廊の欄干を三階のように見ながら、廂の頼母しさを親船の舳のように....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
ームの麩のコップを横から噛みこわしていると、二人が上って来た坂の下から年若な娘が石畳の上へ濃い影を落しながら上って来た。娘は二人の傍へ来ると何のためらう色もなく....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
けませんでした。 で、私は思い切ってその門をくぐって行きましたが、門内は見事な石畳みの舗道になって居り、あたりに塵一つ落ちて居りませぬ。そして両側の広々とした....
百喩経」より 著者:岡本かの子
とした愛感で撫で乍ら歩いた。 廊下が尽きて土蔵の戸前へ移るところは菜がこぼれて石畳が露出して居た。そこから裏庭へ出て逞しい駝鳥のような鶏を作太郎に見せようとい....
昔のことなど」より 著者:上村松園
ました。そして夜になって帰られるのですが、その頃から御池のお宅の勝手口は門口から石畳みの露地になっていまして、そこをカランコロンと下駄の音がして来ると、アッ先生....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
言い、ロシア風の予想外の大都会で、やたらに赤れんがの建物が目についた。放射道路の石畳の道を馬のひずめを響かせてマーチョが行き、中国人のひくヤンチョが通る。アカシ....