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「石窟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

石窟の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
寒山拾得」より 著者:森鴎外
拾得と申すものがおります。実は普賢でございます。それから寺の西の方に、寒巌という石窟があって、そこに寒山と申すものがおります。実は文殊でございます。さようならお....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いのが他の特長だ。兎は弱い動物だ。その耳はやむ時なき猜疑に震えている。彼は頑丈な石窟に身を託する事も、幽邃な深林にその住居を構えることも出来ない。彼は小さな藪の....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
。 「氷雪堅く閉じて。光陰を送り。天上音信を得ざれば。世の風声を弁えず。闇々たる石窟に蠢々として動き、食満々と与えざれば、身心|※骨と衰えたり。国のため捨つるこ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
蛛《つちぐも》拒み参らせた。すなわち群臣に海石榴(ツバキ)の椎《つち》を作らせ、石窟を襲うてその党を誅し尽くした。爾後その椎を作った処を海石榴市《つばいち》とい....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
思ったら、御嶽山《おんたけさん》へでも行った時、よく気をつけて見ていらっしゃい、石窟《いわむろ》の閉めきったところで炭火をどんどん起してちぢかんでいると、心気《....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
、そこに這入ろうと、後方鞍部に引き返し、山腹を斜に東に下る。 六 空沢の石窟 道すがら、大きな石を探る二つ三つ、十二、三丁も下ったと思うころ、方三間高....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
の乞食の中には立派な哲学者もいるのであります。 私は雪山の中に行きました時に、石窟の中にもぐもぐしている乞食がおったので、私はそれを呼び出しまして毛布を敷いて....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
進とを命令する厳しい教主ではなかったであろう。従ってあのような画と彫刻に飾られた石窟の内部が、極楽浄土の縮図として、人々に究極の浄福を予感せしめる機縁ともなり得....
麦積山塑像の示唆するもの」より 著者:和辻哲郎
。 それについて思い起こされるのは、この麦積山の遺蹟と好い対照をなしている雲岡石窟の写真を初めて見た時のことである。それは東京大学の工学部の赤|煉瓦の建物があ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
やりたいくらいに思ったけれども、そのままにいちいち聞いて参りました。で、ずっと神石窟という岩窟の所から川に沿うて二町ばかり降りますと、大きな温泉が三つばかりある....