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石筆
「石筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
石筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年時代」より 著者:幸田露伴
も遣られようという勢いでしたから、学校へ遣って貰うのさえ漸々出来たような始末で、
石筆でも墨でも小さくなったからとて浪りに棄てたおぼえは無い。指に持ちにくくなった....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
annes Jeremias)の説に拠れば、シャマシュがその右手に持っているのは
石筆で、智の表象であり、左手に持っている円形の物は時または年の表象であるといい、....
「花物語」より 著者:寺田寅彦
行って大きな声で奥さんと話をしたりしている。自分はその問題を前に置いて石盤の上で
石筆をコツコツいわせて考える。座敷の縁側の軒下に投網がつり下げてあって、長押のよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
騒ぎになるだろう。いまごろは血眼《ちまなこ》になっているかも知れない。かぎ縄や、
石筆や、マッチの類は、由々しき犯罪の証拠品となるだろうが、あの炭団《たどん》ばか....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
いってやったが、おまっちゃんは見向きもしないで、窓に石盤《せきばん》をのせて、色
石筆《いろせきひつ》であねさまを絵《か》いていた。あたしも仕方なしに佇《たたず》....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ましたが、ふたをあけることができませんでした。くるみ割はとんぼ返りをうちますし、
石筆は石盤の上をおもしろそうにかけまわりました。それはえらいさわぎになったので、....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
をつけ、腰に剣をつるして、学校にかよいました。金のせきばんの上に、ダイヤモンドの
石筆で字をかいて、本でよんだことは、そばからあんしょうしました。 この男の子た....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
家や異食家がどんなものを嗜んだかが分かり、瑣末なようなことでは、例えば、万年暦、
石筆(鉛筆か)などの存在が知られ、江戸で蝿取蜘蛛を愛玩した事実が窺われ、北国の積....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
作文の先生であった。 学用品には苦心した。三本のシャベルを石板のかわりにして、
石筆には、ウニの針を使った。島のウニは大きい。くりのいがのような針の一本は、大人....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
しろいものを見せてやろうか」 とニヤニヤしながら言った。 「何だい」 「中原に
石筆を一本やって御覧、尻からみみずを出して見せるよ」 私は好奇心で、道に待たし....
「あのころ」より 著者:上村松園
へ入学したのは、七つの年でした。 絵が好きなものですから、ほかの時間でも石盤に
石筆で絵を描いたり、庵筆(鉛筆のことを当時はそうよびました)でノートに絵をかいた....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
離されません。学校へ置いて来たらといわれても、いつも往き返りに背負っていました。
石筆に堅いのと柔かなのとあって、堅いのを細く削って書くのでした。 学校は大きな....
「今日になるまで」より 著者:上村松園
りました。 明治十五年四月、八つで小学校六級に入学しました。草履袋をさげ石盤と
石筆を風呂敷に包んで通学したものでした。 その頃習ったものは修礼(お作法)手芸....
「小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
盤《そろばん》といずれか便利なりと尋ぬれば、両様ともに便利なりと答うべし。石盤と
石筆との価、十露盤よりも高からず、その取扱もまた十露盤に異ならず。かつ、筆算は一....