石階[語句情報] » 石階

「石階〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

石階の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
ら来て甲野さんの手を取るや否や、明け放った仏蘭西窓《フランスまど》を抜けて二段の石階を芝生《しばふ》へ下《くだ》る。足が柔かい地に着いた時、 「いったいどうした....
「薤露行」より 著者:夏目漱石
《かろ》く捌《さば》く珠《たま》の履《くつ》をつつみて、なお余りあるを後ろざまに石階の二級に垂れて登る。登り詰めたる階《きざはし》の正面には大いなる花を鈍色《に....
「芽生」より 著者:島崎藤村
かな庭の方へ、丁度私達の居る病室と並行に突出した建築物《たてもの》があって、その石階《いしだん》の鉄の欄《てすり》までも分って来た。赤く寂しい電燈が向うの病室の....
「新生」より 著者:島崎藤村
あの亡くなった青木のことなぞが聯想《れんそう》せられる。岸本と一緒にその教会堂の石階《いしだん》を降りた二人の学友は最早《もう》青木なぞの生きていた日のことを昔....
「カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
にかかる年給を擯《しりぞ》けて四角四面に暮したのである。 余は今この四角な家の石階の上に立って鬼の面のノッカーをコツコツと敲《たた》く。しばらくすると内から五....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
た。店では一人の兵士がタオルを展げて見ていた。 そばを見ると、暗いながら、低い石階が眼に入った。ここだなとかれは思った。とにかく休息することができると思うと、....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かれた盆地は谿谷の底といった感じで、赭い砂岩の絶壁をジグザグにきざみ、遥か下まで石階が続いている。それが、盆地の四方に一か所ずつあって、それ以外の場所は野猿にも....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
れからくりを調べてやろう」 老人はやおら腰をかがめた、突然床下が真暗になった。石階のある出入口から、薄蒼く射していた戸外の夜色が、俄に此時消えたのであった。 ....
「家」より 著者:島崎藤村
けて置いたものではなかろうか、と想ってみた。 重い戸を閉めて置いて、三吉は蔵の石階を下りた。前には葡萄棚や井戸の屋根が冷しそうな蔭を成している。横にある高い石....
「蒲団」より 著者:田山花袋
を得なければ寧そ南洋の植民地に漂泊しようというほどの熱烈な心を抱いて、華表、長い石階、社殿、俳句の懸行燈、この常夜燈の三字にはよく見入って物を思ったものだ。その....
「流線間諜」より 著者:海野十三
ばって地上に坐りなおした。――どうやら此処は、大きなビルディングの地下室へ降りる石階段の下であるらしい。どうしてこれを地面と感じたのか、一向にわからない。 不....
「Ｃ先生への手紙」より 著者:宮本百合子
虚空に立って居る自由の女神像を御存じでございます。 又、コロンビアの大図書館の石階を登りつめた中央に、端然と坐して、数千の学徒を観下す、Alma Mater ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
カラ・サンタという寺院の内部を御覧になったことがあるでしょう。あそこの正面の大理石階段は、十字軍の末期に、エルサレムから持って来たもので、基督が、ピラトの審判を....
「ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
そこで、太陽といっしょに椅子のうえで眼をさますと、博士はまず、アヌラダプラの月明石階段の破片である、その一個の月明石《ムーン・ストン》の首掛けへ一日の祈念を凝ら....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
を蔽いつくし、それを中心にして、拝殿、祠殿、霊廟、僧院、仏塔と幾百の堂宇が無数の石階や石廊や拱門で縦横につながり、四千年前に消滅したテーベの栄華の宮殿の復原図を....